| タイトル | 原子間力顕微鏡を応用した新規な抗原抗体反応測定システムの構築 |
|---|---|
| 担当機関 | (独)食品総合研究所 |
| 研究期間 | 2003~2006 |
| 研究担当者 |
若山純一 小堀俊郎 杉山滋 大谷敏郎 |
| 発行年度 | 2005 |
| 要約 | 原子間力顕微鏡技術を応用し、抗原を固定した基板と抗体を固定した探針との間に 働く微弱な力を、物理吸着等の非特異的な力と区別して明確に検出する手法を確立 した。本手法は、アレルゲン等の食品中に含まれる微量成分を迅速検出するための基礎技術となり得る。 |
| キーワード | 原子間力顕微鏡(AFM)、抗原抗体、アレルゲン |
| 背景・ねらい | ピコニュートン(pN)レベルの非常に微弱な力計測が可能な原子間力顕微鏡(AFM)技術を応用し た、生体分子間相互作用の有無を迅速に検出する新規技術の構築をめざしている。本技術が実用化さ れれば、1~数分子のタンパク質間相互作用計測の実現による生命科学や基礎医学への貢献に加え、 食品中のアレルゲンや細菌等の危険因子の検出、糖鎖やペプチドの機能解析等への応用の可能性も大 きく、食品産業における応用が期待できる。 |
| 成果の内容・特徴 | 1.金被覆 AFM 探針上にアルカンチオールを介して活性(抗原への結合能)を損なうことなく抗体(抗 フェリチン抗体)を固定する技術、マイカ基板をナノレベルの平滑を保ったまま、APTES (3-aminopropyltrimethoxysilane)により修飾し、その基板上にタンパク質試料(抗原:フェリチン; 参照試料:BSA、アビジン)を固定する技術を確立した。 2.AFM により探針と基板の間に働く吸着力を計測し、抗体と抗原間の相互作用力計測を行った。ま た、測定溶液条件を検討し、生理緩衝液(PBS)の場合には非特異的吸着が大きく、抗原と参照 試料の間に違いを検出することが困難であるが、測定溶液中への界面活性剤及びタンパク質加水 分解物の添加により、探針と基板間の非特異的吸着が大幅に減少することを見出した。 3.上記に加えて、探針の移動速度を制御することにより、従来の手法では困難であった抗原と抗体間の特異的相互作用力を、物理吸着等の非特異的な相互作用力と明確に区別して検出すること に成功した(図1、図2)。この結果に基づき、抗原抗体反応の検出方法に関する特許出願を行 った。 4.将来的に、複数の探針を持つアレイ化プローブを使用して、基板上に配列した複数の試料に対し て抗原抗体反応の検出を行うことを想定し、タンパク質を基板上に複数の微小スポットとしてパ ターン化して固定する方法の検討を行い、マイクロコンタクトプリント(μCP)法により、10 ~20μmタンパク質スポットを 50μm 間隔で配置したタンパク質アレイを作製した(図3)。 |
| 成果の活用面・留意点 | 現在、本技術のアレルゲン検知への適用をめざして、卵アレルギーの主要アレルゲンであるオボム コイドを試料としたモデル実験に着手しており、その後、食品由来の実試料への展開を想定している。 本技術が完成すれば、新しい原理に基づくアレルゲン検査装置やアレルゲンチップ等への展開の可能 性も考えられる。 |
| カテゴリ |
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