ナタネ花粉由来胚発生における窒素同化経路の変化

タイトル ナタネ花粉由来胚発生における窒素同化経路の変化
担当機関 中国農業試験場
研究期間 1991~1995
研究担当者
発行年度 1994
要約 ナタネ未熟花粉からの胚発生誘導時にはグルタミンが必須であり、硝酸還元酵素及びグルタミン合成酵素活性は極めて低い。胚発生開始後にグルタミン合成酵素の活性が、また心臓型胚に発達すると硝酸還元酵素の活性が見られる。
背景・ねらい ナタネの単離花粉培養系は、直接胚発生することから初期胚発生の研究を行う上で有効な培養系である。特に、種子胚と異なり組織から離れている点で、その生理的な変化等を研究することが容易である。一方、近年様々な植物で体細胞胚の誘導が報告されているが、まだ難しい植物も多く存在する。このため、胚発生の誘導に必要な生理的な条件、培地条件を明らかにする必要がある。そこでナタネ単離花粉培養系を用いて、まず胚発生時の窒素代謝経路の変化を明らかにしようとした。
成果の内容・特徴
  1. ナタネ未熟花粉からの胚発生誘導には、培地中にグルタミンが比較的高い濃度で存在することが必須である(表1、図1)。
  2. 培養開始4日目には1回目の細胞分裂が観察されるが、この時期以降はアンモニウム塩とグルタミン酸が培地中に存在すれば胚発生は継続する。このことから、グルタミン合成酵素の活性が高くなっていると推定される(表1)。
  3. 培養開始15日目には多くの胚が心臓型胚から魚雷型胚のステージに発育し、高い硝酸還元酵素活性(in vivo)を示す。一方4、8日目の胚では活性が見られない(図2)。
  4. ナタネ種子胚の発生初期には、胚嚢液(Embryosac fluid)中に高濃度のグルタミンが存在する。
  5. 胚発生の誘導は、グルタミンの他アラニンでも可能である。
成果の活用面・留意点 本成果は、ナタネの単離花粉培養系での知見であるが、同じアブラナ属に属する種でも基本的に同じであると推定される。このため、アブラナ属作物の単離花粉培養の開発の際に特に有効な情報と思われる。また、手法も含めて、本成果は胚発生の生理学的な研究にも参考となる。
図表1 210122-1.jpg
図表2 210122-2.jpg
図表3 210122-3.jpg
カテゴリ あぶらな なたね

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