タイトル |
黄色蛍光灯によるカーネーションのタバコガ・ヨトウムシ類の被害軽減 |
担当機関 |
兵庫県立淡路農業技術センター |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
山中正仁
八瀬順也
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発行年度 |
1996 |
要約 |
黄色蛍光灯をカーネーション施設内に設置、点灯し、1ルクス以上の明るさを確保することでタバコガ・ヨトウムシ類の被害を大幅に軽減する。
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背景・ねらい |
タバコガ・ヨトウムシ類は多種の作物に寄生し、夏から秋にかけて大きな被害をもたらしている。淡路島では、カーネーションで毎年発生し、その被害は大きい。これらの害虫は初夏から晩秋にかけて長期間だらだらと発生するうえ幼虫は蕾に潜り込んでいることが多く、薬剤による防除は困難で決め手になる防除法がない現状にある。そこで、黄色蛍光灯に着目し、有効な防除技術を確立した。
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成果の内容・特徴 |
- カーネーション施設に黄色蛍光灯を設置し(図1)、終夜点灯することによってオオタバコガの幼虫による花蕾の被害が10分の1以下と少なく、防除効果が高い(表1)。
- シロイチモジヨトウについても幼虫による茎・葉の被害がきわめて少なく、十分な防除効果がある(表1)。
- 点灯施設内の明るさは最大照度で 約2~60ルクスの範囲であったが(表2)、供試品種‘ホワイトキャンドル’の生育に対する影響は特に認められない。
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成果の活用面・留意点 |
- 一般的なビニール施設の場合、40ワットの黄色蛍光灯を10a当たり12~15灯を設置すれば施設内照度はおおむね防除に有効な明るさ(床面上1mで1ルクス以上)が確保できる。
- 点灯時間は日没前から日の出前までの終夜点灯がよい。また、点灯期間はタバコガ・
ヨトウムシ類の発生時期である6月~11月である。 - 点灯開始時作物上にこれらの幼虫(卵を含む)が既に発生している場合は、幼虫がいなくなるまで加害は続くので、効果が安定するまで約3週間ほど要することがある。
- 10a当たりの設置経費は約23万円、ランニングコスト(電気代)が1カ月当たり3600円程度かかるが、薬剤散布と被害の軽減による増収が見込まれ、過剰投資にはならない。
- タバコガ・ヨトウムシ類多発生時には薬剤散布等他の防除法も併用した方がよい。
- 黄色蛍光灯の点灯が作物の生育に及ぼす影響は作物、品種により異なると考えられるので、利用に際してはその点に十分注意する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
カーネーション
害虫
コスト
品種
防除
薬剤
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