イチジクモンサビダニの薬剤による防除適期と防除効果

タイトル イチジクモンサビダニの薬剤による防除適期と防除効果
担当機関 大阪府立農林技術センター
研究期間 1996~1999
研究担当者 柴尾 学
草刈眞一
田中 寛
発行年度 1996
要約 イチジクのハダニ類に対して登録のあるテブフェンピラド水和剤を7月に散布することにより、効果的にイチジクモンサビダニの寄生密度と被害を抑制することができる。
背景・ねらい  イチジクは収益性が高く、大阪府の特産果樹のひとつである。しかし、1989年頃からイチジクモンサビダニが発生し、葉の奇形・萎縮・退色、果実の退色・早期落果の被害が府下全域に拡大している。一方、現在のところイチジクモンサビダニに対する登録薬剤はないが、数種の殺ダニ剤による本種の殺虫効果が確認されている。そこで、イチジクのハダニ類に対して登録のあるテブフェンピラド水和剤およびケルセン乳剤のイチジクモンサビダニに対する防除効果と防除適期を検討する。
成果の内容・特徴
  1. イチジクモンサビダニの発生している露地ほ場においてテブフェンピラド水和剤2,000倍液を6月、7月、8月の時期別に散布したところ、7月散布では6月、7月、8月の3回散布とほぼ同等の高い密度抑制効果が認められる(表1)。
  2. イチジクモンサビダニによって引き起こされるモザイク症状の被害葉率及び被害果率はテブフェンピラド水和剤2,000倍液の6月散布及び8月散布では無散布とほぼ同等で被害軽減効果は低いが、7月散布では3回散布とほぼ同等の高い被害軽減効果が認められる(表2)。
  3. ケルセン乳剤1,500倍液の7月散布及び6月、7月、8月の3回散布ともにイチジクモンサビダニに対する密度抑制効果と被害軽減効果は低い(表1、表2)。
  4. 以上の結果より、7月上中旬にイチジクのハダニ類に対して登録のあるテブフェンピラド水和剤2,000倍液を散布することで効果的にイチジクモンサビダニを防除できる。
成果の活用面・留意点  テブフェンピラド水和剤はイチジクモンサビダニに対する登録がないため、ハダニ類との同時防除とする。
図表1 210200-1.jpg
図表2 210200-2.jpg
カテゴリ 病害虫 いちじく 防除 モザイク症 薬剤

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