タイトル |
施設栽培カキにおけるワタアブラムシの発生と防除対策 |
担当機関 |
和歌山県果樹園芸試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
大橋弘和
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発行年度 |
1996 |
要約 |
従来カキに寄生しなかったワタアブラムシが、施設栽培のカキに発生している。発生時期により体色に変化があり、葉の硬化後に発生した黄色のワタアブラムシは多くの殺虫剤に対し薬剤抵抗性の発達がみられる。イミダクロプリドフロアブルまたはアセタミプリド水溶剤が有効である。
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背景・ねらい |
カキの施設栽培でワタアブラムシの発生が初めて確認され、すす病の発生を招き早期落葉の被害が認められる。ワタアブラムシの発生経過を明らかにするとともに有効薬剤の探索と防除効果を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 刀根早生の施設栽培園で、ワタアブラムシは新梢伸長期から開花期の3月上中旬と葉の硬化した5月中旬から落葉期の10月下旬まで認められ、発生時期により体色が異なり、前者は濃緑色で、後者は黄色を呈する。
- 新梢伸長期のワタアブラムシは主に蕾に寄生し、シペルメトリン水和剤1500倍の効果が高い。
- 葉の硬化後のワタアブラムシは葉裏に寄生し6月に増加する(図1)。天敵類はアブラムシ多発後にショクガタマバエ幼虫、クサカゲロウ幼虫、アブラバチ等が認められる。
- 室内の感受性試験では、葉の硬化後のワタアブラムシに対しイミダクロプリドフロアブルの感受性は高いが、他剤の感受性は全般に低く、特に合成ピレスロイド剤に対し強い抵抗性の発達がみられる(表1)。
- ほ場試験では、葉の硬化後のワタアブラムシに対しアセタミプリド水溶剤4000倍は散布47日後まで発生を抑制し高い防除効果を示す。フェンバレレ-ト・MEP水和剤は散布後の残存虫も多く防除効果は低い(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
発生時期により体色及び薬剤に対する感受性が異なる場合があるので、薬剤の選択に留意する。供試した薬剤はカキの他害虫に農薬登録されているが、カキのアブラムシ類に対する登録はない。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
かき
施設栽培
抵抗性
農薬
防除
薬剤
わた
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