フスマ重層による豆腐粕サイレージ保存性の向上

タイトル フスマ重層による豆腐粕サイレージ保存性の向上
担当機関 大阪府立農林技術センター
研究期間 1997~1999
研究担当者 崎元道男
西村和彦
大谷新太郎
藤谷泰裕
入江正和
毛利集造
発行年度 1997
要約 豆腐粕をプラスティック容器内でサイレージ化して短期保存する場合、サイレージ表面にフスマを重層することによって高温高湿度環境でカビの発生が48時間まで抑えられ、サイレージの品質向上と保存期間の延長が可能になる。
背景・ねらい  都市畜産経営において低コスト飼料として乳用牛や肉用牛に利用されている豆腐粕は夏場、数時間で腐敗し、牛の嗜好性が悪化する欠点があるため、サイレージ化によって保存性を高める工夫がされている。ところが、豆腐粕サイレージの表面にビニールなどをかぶせて保存しても、保存期間が延びるにしたがって上層部にカビが発生し、サイレージの品質が低下することから、保存性をさらに高める必要性がある。そこで、水分の低いフスマをサイレージ表面に重層することがサイレージの品質に及ぼす効果を調べた。
成果の内容・特徴
  1. 豆腐粕サイレージ表面へのフスマ重層はpHの変化に影響を及ぼさない(表1)。
  2. 豆腐粕サイレージを22.5℃で保存した場合、フスマを重層しない対照区は24時間保存時に比べて48時間保存時に有機酸総量が減少するが、フスマ重層区の有機酸総量は24時間に比べて48時間保存時に若干増加する傾向があり、フスマの重層によって豆腐粕サイレージの品質向上が見込まれる(図1)。
  3. 豆腐粕サイレージを高温高湿度で保存すると、フスマを重層しない場合、12時間後にすでに若干のカビの発生が容器の上部側壁に認められ、24時間後にはかなりカビの発生が認められる。一方、フスマを豆腐粕サイレージ表面に5cmの厚みで被覆した場合、48時間までカビの発生は認められない(表2)。
  4. ハエの発生しやすい時期にフスマを重層したサイレージに誘引されたハエ頭数がフスマを重層しなかったサイレージに比べて有意に減少する(図2)。

成果の活用面・留意点  都市畜産のように豆腐粕サイレージを保存する場所が狭い場合、どうしても豆腐粕サイレージを短期保存せざるを得ない。短期保存の場合、サイロバックやビニール袋等の気密性の高い容器に保存すれば、豆腐粕サイレージの品質向上は見込まれるが、保存規模、保存資材のコスト、作業性を考えると、プラスティック容器に豆腐粕サイレージを詰め、表面にフスマを5cm程度重層し、冷暗所に1~2日保存しておく方法のほうが得策である。
図表1 210366-1.gif
図表2 210366-2.gif
図表3 210366-3.gif
図表4 210366-4.gif
カテゴリ 経営管理 コスト 低コスト 肉牛

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