タイトル |
イチゴ品種間で多型を示すRAPDプライマーの選抜 |
担当機関 |
兵庫県立中央農業技術センター |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
玉木克知
山元義久
松本純一
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発行年度 |
1997 |
要約 |
イチゴ主要品種の「とよのか」と他品種との間で多型を示すRAPD プライマーを選定した。多くの多型バンドが検出されるプライマーや、イチゴでは増幅バンドを検出できないプライマーが認められた。
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背景・ねらい |
DNAマーカー育種を行う際、まず交配親品種間で多型を示すDNAマーカーが必要になる。そこで10塩基のRAPDプライマーを供試し、イチゴ品種間で多型を示すものを選抜する。特に多型バンドを検出しやすいプライマーを調査し、今後の研究のための資料とする。
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成果の内容・特徴 |
- プライマーは、オペロン社から発売されている10塩基からなる計200種類(OPA-01~OPJ-20)を単独で用いた。
- イチゴ未展開葉からPEG法(M.S.Greenwood et al. 1989)によってDNAを抽出し、それを鋳型としてPCRを行った。PCR反応は、鋳型DNA 2.5ng、dNTPs 200μM、DNA合成酵素(AmpliTaq Gold、パーキンエルマー社)1.25 U、酵素添付の×10バッファー2.5μl、MgCl2 2.5μMを加えて、滅菌蒸留水で25μlの反応系に調整した。反応条件は、GeneAmp PCR System 9600(パーキンエルマー社)を用い、95℃ 9分間のプレヒート後、95℃の変性 60秒間、40℃のアニーリング 60秒間、72℃の伸長反応 120秒間を1サイクルとして45サイクル行い、最後に72℃の伸長反応を5分間行った。
- PCR産物は、1.5%アガロースゲル電気泳動法で分離し、「とよのか」と各品種との間で多型バンドを検出した。「とよのか」と「宝交早生」の間で多型バンドが検出されたプライマーについては、再度同じ条件で追試し、再現性を確認した。
- 調査したどの品種についても、100種類以上のプライマーで「とよのか」との間に多型バンドが検出される(表1)。
- プライマーによっては多くの多型バンドが検出されるものがある(表2)。一方、供試したイチゴ品種では増幅バンドが検出されないプライマーもある(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- イチゴ葉にはDNA合成酵素活性を阻害する多糖類が多く含まれると考えられ、DNA抽出に用いる葉の状態等によっては、十分な再現性が得られない場合もある。
- この結果はDNAマーカー選抜の他、品種識別にも応用できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
育種
いちご
DNAマーカー
品種
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