タイトル |
ジャガイモ半身萎ちょう病の発生状況と土壌中の微小菌核密度に基づく当面の作付け指針 |
担当機関 |
北海道立中央農業試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
角野晶大
田村修
田中民夫
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発行年度 |
1997 |
要約 |
ジャガイモ半身萎ちょう病の発生状況と土壌中の微小菌核密度から本病発生ほ場を程度別に区分した。また、Verticillium各菌種に対する各種作物の感受性程度を明らかにした以上に基づいて、菌種別および発生程度別の当面の作付け指針を作成した。
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背景・ねらい |
近年、道内各地でばれいしょの黄変期が早いほ場が散見されており、この原因がジャガイ モ半身萎ちょう病であることが判明した。本病原菌は多犯性であり、輪作に導入された他の 作物にまで被害を及ぼす可能性がある。この試験では、ジャガイモ半身萎ちょう病の道内で の発生状況や発生生態を明らかにするとともに、本病原菌の他作物への影響も見据えた上 で、即応的な当面の作付け指針を見出すことを目的とした。
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成果の内容・特徴 |
- 本病の病徴は葉の黄化や萎ちょうである。初期には病徴が複葉や茎および株の片側の葉
だけに見られる場合があり、この点が本病の特徴である。
- 本病の多発生ほ場は22ほ場(10.1%)、少~中発生ほ場は125ほ場(57.6%)に及んでいる。
- 5年以上の輪作ほ場では、汚染程度が低レベルに保たれている。
- 本病発生ほ場の隣接畑で他作物にバ-ティシリウムによる病害が発生している。
- 病原菌はV. dahliae,V. albo-atrum,V. nigrescensで、主体はV. dahliaeである。
- 本病のばれいしょへの被害は年次や菌種により異なり、6~31%の減収となる。
- 本病はV. dahliaeの土壌中の微小菌核密度が10個以上/乾土1g(高密度)で多発すると推
定される。
- V. dahliaeの微小菌核高密度ほ場は23ほ場(11.0%)、低密度ほ場は55ほ場(26.3%)に及ん
でいる。
- V. dahliaeとV. albo-atrumの寄主範囲は広くV. nigrescensは狭い。作物ごとの感受性
程度を表-1に示す。
- 発生状況と土壌中の微小菌核密度から、本病発生ほ場を程度別に区分できる。
- 本病発生状況と土壌中の微小菌核密度に基づく当面の作付け指針を表-2に示す。
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成果の活用面・留意点 |
- 本病に関与する病原菌および発生程度に応じた作付け指針を実施する。
- ばれいしょ栽培中に本病の発生の有無や発生程度の把握につとめる。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
ばれいしょ
輪作
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