イチゴ水耕栽培でのケイ酸カリ施用によるうどんこ病発生抑制

タイトル イチゴ水耕栽培でのケイ酸カリ施用によるうどんこ病発生抑制
担当機関 兵庫県病害虫防除所
研究期間 1998~1998
研究担当者 神頭武嗣
三好昭宏
発行年度 1998
要約 イチゴの水耕栽培で、養液にケイ酸カリを添加するとイチゴ葉中のケイ酸含量が高まり、うどんこ病の発病を抑制する。うどんこ病罹病性品種「とよのか」では、ケイ酸の養液中濃度25ppm以上、葉中含量1.5%以上で発病抑制作用が顕著である。
背景・ねらい   イチゴうどんこ病は、西日本において罹病性品種・「とよのか」の普及にともない大発生するようになった。さらに、イチゴでは葉裏などに薬液が付着しにくいこと、EBI剤に対するうどんこ病菌の感受性が低下していることにより、薬剤だけでは防除が困難な状況にある。そこで、病害抵抗性の付与効果のあるケイ酸を水耕栽培の養液に添加し、うどんこ病の発生抑制効果を検討した。
成果の内容・特徴
  1. イチゴの水耕栽培ではケイ酸を効率的に吸収して、養液の添加濃度が高いほど葉中のケイ酸含量は高くなる(図1)。
  2. ケイ酸を添加した養液でイチゴを水耕栽培すると、葉のうどんこ病の発生を約3か月間にわたり抑制し、果実の発病も少ない(図2,3)。
  3. 葉の発病に対しては養液中のケイ酸濃度が25ppm以上で、果実の発病に対しては50ppm以上で高い抑制効果が発現する(図2,3)。
  4. 葉中のケイ酸含量と葉の発病の関係については、「とよのか」ではケイ酸が1.5%以上で発病を抑制するのに対し、「女峰」や「宝交早生」では0.5%でも極めて発病は少ない(図4)。

成果の活用面・留意点
  1. ケイ酸の添加濃度が100ppmの範囲内では、ケイ酸によるイチゴ果実の食味への影響はない。
  2. ケイ酸カリを施用するとpHが高くなりやすく、pH8以上になると「鉄欠乏」を起こす恐れがあるため、鉄を添加する必要がある。
図表1 210633-1.gif
図表2 210633-2.gif
図表3 210633-3.gif
図表4 210633-4.gif
カテゴリ 病害虫 いちご うどんこ病 水耕栽培 病害抵抗性 品種 防除 薬剤 良食味

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