VA菌根菌資材利用による黒大豆の増収技術

タイトル VA菌根菌資材利用による黒大豆の増収技術
担当機関 京都府農業総合研究所
研究期間 1998~1999
研究担当者 松本静治
吉川正巳
発行年度 1998
要約 市販VA菌根菌資材を混和した培土で育苗した黒大豆をほ場で栽培すると、根粒着生量、根重及び着莢数が増加して増収効果が得られる。
背景・ねらい   黒大豆は京都府特産作物の一つであり、有利な転作作物として栽培面積は増加しているが、近年子実収量が100kg/10aを下回る年が続いている。また、枝豆用品種「紫ずきん」の栽培が本格的に始まり、これら低生産性ほ場での増収のための技術開発が求められている。一方、京都府では各種野菜へのVA菌根菌資材の利用技術の開発を進めており、その効果を確認している。そこで、この資材を黒大豆に適用することにより生産の安定化を図り、収量性を向上させるための効率的な利用技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 市販VA菌根菌資材(セラキンコン、菌種はGigaspora margarita)を培土(ナプラ培土)に30g/L混和して72穴のセル成型苗用トレイに充填し、黒大豆種子(品種は「新丹波黒」、「紫ずきん」)を播種する。育苗床内の最低温度を15℃以上に保ちながら12日間育苗することによって、黒大豆苗に感染、定着させることができる。
  2. VA菌根菌接種苗はほ場に定植後、無接種苗と比較して細根が多く形成されて根重が増加するが、茎葉重に差は見られない(図1)。
  3. VA菌根菌接種区(以下、接種区)では黒大豆1個体に着生する根粒数、根粒重が無接種区に比べて増加する(図2)。
  4. 接種区では着莢数が増加し、枝豆用品種の「紫ずきん」、子実用品種の「新丹波黒」ともに収量が約10%増加する(表1)。

成果の活用面・留意点
  1. セル成型苗用トレイを用いて育苗するため、機械移植に適用できる。
  2. 育苗にあたっては種子伝染性病原菌に汚染されていない健全種子を使用し、殺菌剤による種子消毒は行わない。
図表1 210641-1.gif
図表2 210641-2.gif
図表3 210641-3.gif
カテゴリ 育苗 栽培技術 種子消毒 大豆 播種 品種

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