クローン技術により生産された黒毛和種雌牛の繁殖能力

タイトル クローン技術により生産された黒毛和種雌牛の繁殖能力
担当機関 山口県畜産試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者 井上愛子
市野清博
松崎伸生
石井俊昭
竹下和久
発行年度 1999
要約 体外受精卵由来の黒毛和種雌クローン牛に人工授精を行い、正常産子が得られた。また、体内受精卵由来の4つ子の雌クローン牛に過剰排卵処理を行った結果、全頭から正常受精卵が採取でき、一部を移植した結果、正常産子が得られた。
背景・ねらい  核移植(クローン)技術は、同一遺伝子を持つ胚を複数生産することが可能なため、優良牛の効率的増産を図る技術として研究され、現在、受精卵クローン牛は全国ですでに500頭以上が生産されている。しかし、クローン技術によって生産された個体の繁殖能力に関する報告は少ない。
 そこで今回、雌クローン牛へ人工授精及び過剰排卵処理を行い繁殖能力の検討を行った。
成果の内容・特徴
  1. 体外受精卵由来の雌クローン牛1頭と体内受精卵由来の1卵性4つ子の雌クローン牛4頭の繁殖能力について調査した。
  2. 雌クローン牛の春期発動は、9ヶ月齢よりみられた。
  3. 体外受精卵由来の雌クローン牛1頭は、14ヶ月齢で人工授精を行った結果、1回の人工授精で受胎し、23.0kgの雄を分娩した。妊娠期間は、292日であった。
  4. 体内受精卵由来の1卵性4つ子の雌クローン牛4頭は、過剰排卵処理を行い、ホルモンに対する反応性、採卵成績及び得られた受精卵の受胎性を調査した。過剰排卵処理は、膣内挿入型持続性黄体ホルモン製剤(CIDR)を用い、35日間隔で12ヶ月齢と13ヶ月齢の2回連続採卵を行った。処理方法は、性周期に関係なくCIDRを12日間挿入し、挿入後10日目よりFSH20AUの3日間減量投与を行い、12日目のCIDR除去時にプロスタグランジンF2α(クロプロステノールとして750μg)を投与した。人工授精は、発情に合わせて2回実施した。
  5. その結果、全頭がホルモンに反応し正常な受精卵が得られた(表1)。
  6. 得られた受精卵の内3卵を3頭の受卵牛(F1牛)に移植したところ、1頭が受胎した(表2)。
  7. 受胎した1頭は、28.0kgの雌を分娩した。妊娠期間は、283日であった。
成果の活用面・留意点
    雌クローン牛の繁殖能力に問題のないことが確認できたことにより、優良牛の効率的増産にクローン技術応用の可能性が示された。

図表1 210789-1.jpg
図表2 210789-2.jpg
カテゴリ 繁殖性改善

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