50mメッシュによる気温の推定とカンキツ新品種導入への応用

タイトル 50mメッシュによる気温の推定とカンキツ新品種導入への応用
担当機関 中国農業試験場
研究期間 1998~1999
研究担当者 牛尾昭浩
須藤健一
水田泰徳
大原源二
発行年度 1999
要約 淡路島中部地域で、50mメッシュ気温分布図を作成したところ、ウンシュウミカンの「宮川早生」では、開花時期の早い園地は気温の高い南に面していた。50mメッシュ単位での気温の把握は、カンキツの新品種の導入や開園などの計画立案に活用できる。
背景・ねらい  カンキツの収量・品質に影響する開花時期、着花量、新梢発生量などは、冬~春期の気象条件に大きく影響される。また、最近導入が進む中晩生カンキツは、高品質化をねらって果実を樹上越冬させるため冬季の最低気温が重視される。そこで、カンキツの新品種を導入する時に、栽培に適した立地が検索できるよう、既成の園地を中心に気温の定点観測を行い、50mメッシュを単位とした気温分布図を作成する。
成果の内容・特徴
  1. 淡路島中部の東西、南北それぞれ約15kmの地域で、69か所で観測された気温から、50mメッシュ標高値を用いる地形因子解析法により、同じ地域で、未観測地点の冬~春の月別最高・最低・平均気温が50mメッシュ単位で推定できる(図1)。
  2. 「宮川早生」の開花時期は4月の日平均気温と相関が高く(表1)、開花時期の早いカンキツ園は、ほとんどが淡路島の中山間の南に面した暖かい地域の樹園地である。
  3. 中晩生カンキツの導入時や新たな開園時には、開花時期に影響するであろう4月の気温の高い地域、果実を樹上越冬させるためには冬季の最低気温が低すぎない地域の選定が重要であり、これらは、詳細メッシュによる気温を把握することで、新品種の導入や新たな開園などの的確な計画立案が可能になる(図2、3)。
成果の活用面・留意点
  1. 50mメッシュ単位で地域選定が可能なことから、新品種などの導入時に、いくつかの候補地点から少しでも、冬~春期平均気温の高い地点の選定が可能になる。
  2. 淡路島中部地域のカンキツに限らず、他の作目への利用が可能である。

図表1 210815-1.jpg
図表2 210815-2.jpg
図表3 210815-3.jpg
図表4 210815-4.jpg
カテゴリ 温州みかん 新品種 中山間地域 その他のかんきつ

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