カキ「西条」の脱気個包装ドライアイス脱渋貯蔵技術

タイトル カキ「西条」の脱気個包装ドライアイス脱渋貯蔵技術
担当機関 鳥取県園芸試験場河原試験地
研究期間 1995~1999
研究担当者 須崎俊一
発行年度 1999
要約 カキ「西条」の貯蔵は、ポリエチレン袋で脱気個包装した果実をドライアイス処理し、冷蔵庫内で脱渋しながら貯蔵する方法で行う。これによって、貯蔵後の果実の黒変現象が解消し軟化が抑制されて30日間の貯蔵ができる。糖度低下はない。
背景・ねらい  これまでカキ「西条」は、貯蔵中あるいは貯蔵後に果実の黒変現象や軟化が発生するた貯蔵ができなかったが、生産量の増加、出荷ピーク時の価格の低迷などの背景から技術の確立が強く望まれている。このため、出荷ピークの是正と12月中下旬まで販売期間を延長して有利販売を行う目的で、貯蔵後の黒変現象を解決する方法を開発し1か月の貯蔵を目標に技術の確立を行う。
成果の内容・特徴
  1. カキ「西条」の貯蔵は、果実をポリエチレン袋で脱気個包装して、それを脱渋フィルムに包んでドライアイス処理し、冷蔵庫内で脱渋・貯蔵する方法で行う(図1)。
  2. 脱渋は個包装のポリエチレンフィルムの炭酸ガス透過性を利用して行っている。
  3. 個包装フィルムは厚さ60μmの低密度張り合わせポリエチレン袋を用い、概ね-730mmHg程度の脱気度で個包装する(表1)。
  4. 脱渋処理には5Kg箱あたりドライアイス30gを用い、1℃で脱渋貯蔵する条件が最適である(図2)。
  5. 脱渋は処理後25日で完了する(図3)。
  6. 貯蔵期間中の糖度低下は認められない(表2)。
  7. 30日間の個包装脱渋貯蔵果の品質は、慣行の室温ドライアイス脱渋果の脱渋完了直後の健全果率と同程度であり、開封後の日持ちがよい。
  8. 個包装脱渋貯蔵果実は、ポリエチレンフィルムで個包装されており、貯蔵後に脱渋フィルムを開封しても直接空気と接しないため、果実の黒変現象が発生しない。 
成果の活用面・留意点
  1. 未熟果を用いるとヘタ部に水浸状の障害が発生するので、西条のカラーチャート値でヘタ部の果色が5以上の適熟果を使用する。

図表1 210819-1.jpg
図表2 210819-2.jpg
図表3 210819-3.jpg
図表4 210819-4.jpg
図表5 210819-5.jpg
カテゴリ かき カラー 出荷調整 保存・貯蔵

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