タイトル |
モロヘイヤ黒星病菌(Cercospora corchori Sawada)汚染種子の乾熱処理による種子消毒法 |
担当機関 |
島根県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
三上哲壮
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発行年度 |
1999 |
要約 |
モロヘイヤ黒星病菌(Cercospora corchori )による汚染種子を、通風式恒温器を用いて40℃で1日間予備乾燥し、続いて87.5℃で6日間乾熱処理する方法は、種子消毒法 として有効である。
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背景・ねらい |
1992年9月、島根県東部で露地栽培されているモロヘイヤに黒色斑点症状が多発生した。原因究明の結果、本症状は台湾で報告されたヤマツナソ黒星病(沢田、1919)と同定された。本病の防除対策は未確立であり、とくに登録農薬がないことから一度発生すると防除が困難である。モロヘイヤ黒星病の第一次伝染として重要な種子伝染について、その様式を明らかにし、種子消毒法として効果が高く、かつ健康食品のイメージを損なわない乾熱処理法を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- ビニルハウス内で栽培したモロヘイヤ茎葉に本病菌の分生子懸濁液を噴霧接種し、発病させた株から採取した汚染種子を供試し、これらの種子を外種皮、内種皮及び胚に分解して菌の存在部位を調査した結果、内種皮部への本菌の侵入も認められる(表1)。
- 汚染種子を通風式恒温器(温度制御精度±0.5℃)を用いて40℃、1日間の予備乾燥後、87.5又は90℃で6~7日間乾熱処理すると本菌は検出されず、高い種子消毒効果が認められる(図1)。
- 乾熱処理種子の発芽率は、無処理区の約90%に対して87.5℃の6日間処理でやや低下し、90℃処理では60%以下に低下する(図2)。
- 87.5℃、6日間乾熱処理後の種子を、5℃で6か月間貯蔵しても発芽率の低下は認められない(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- JA単位など大量生産施設等での技術として普及指導する。
- 精度の高い温度制御が可能な通風式恒温器を必要とする。
- 乾熱処理種子は無処理種子に比べて5日程度発芽遅延する。また、発芽率の低下は、稔実不良種子や古い種子では著しい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
乾燥
黒星病
種子消毒
農薬
防除
モロヘイヤ
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