水稲に対する稲わらおよび土づくり肥料の長期連用効果

タイトル 水稲に対する稲わらおよび土づくり肥料の長期連用効果
担当機関 滋賀県農業試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者 柴原藤善
小松茂雄
武久邦彦
発行年度 1999
要約 半湿田および乾田で稲わらの秋鋤込みを継続すると、土壌有機物含量を当初水準に維持でき、稲わら堆肥1t/10a連用の代替となる。また、珪カルおよび熔リンとの併用によって、水稲の生育収量が安定し、稲作時のリン酸施肥が省略できる。
背景・ねらい  地域の土壌条件等に応じた地力増強対策は、持続的な農業生産とともに環境負荷軽減のために重要であり、それには土壌のちがいと有機物・土づくり肥料の連用効果を長期的に解析・評価する必要がある。
 そこで、半湿田および乾田において、20年以上にわたる稲わらおよび土づくり肥料(珪カル、熔リン)の長期連用が、水稲の収量・養分吸収および土壌の化学性に及ぼす影響を明らかにする。また、土壌蓄積リン酸を有効利用し、水稲作付期のリン酸施肥を節減する。
成果の内容・特徴
  1. 半湿田(中粗粒グライ土)および乾田(中粗粒褐色低地土)で、稲わらの秋鋤込みを継続すると、土壌有機物含量を当初水準に維持でき、稲わら堆肥1t/10aの代替が可能である(図1)。
  2. 稲わらおよび土づくり肥料を約10~20年間連用すると、有機物無施用区(施肥N量:約10kg/10a)に比べて、半湿田で4~5%、乾田で5~11%の増収効果が認められる。塩基の溶脱が進みやすい乾田では、土づくり肥料の併用効果が高い(表1)。
  3. 稲わらおよび土づくり肥料由来養分の水稲利用率は、窒素21~28%、カリウム10~20%、ケイ酸24~33%の範囲にある。そして、稲わらに土づくり肥料を併用すると、稲わらのみの施用に比べて、籾の窒素含量が低下し、食味向上が期待される(表1)。
  4. 稲わらと珪カルを施用すると、熔リンを併用しても、水稲のリン吸収量は増加しない。そこで、土壌の可給態リン酸が適正水準(10~20 mg/100g)に達した場合、秋に熔リンを40kg/10a施用すれば、稲作時のリン酸施肥を省略しても減収せず、土壌蓄積リン酸の有効利用が図れる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 稲わらの秋鋤込みは、半湿田および乾田地帯での早植栽培に適する。また、積雪地でも秋鋤込みが望ましく、融雪後の春鋤込みに比べて増収効果が高くなる。
  2. 稲作時のリン酸施肥の省略については、今後とも継続して調査する必要がある。

図表1 210875-1.jpg
図表2 210875-2.jpg
図表3 210875-3.jpg
カテゴリ 土づくり 肥料 水稲 施肥 良食味

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