堆肥および化学肥料を施用した水田におけるδ15N値を用いた水稲の起源別窒素量の推定

タイトル 堆肥および化学肥料を施用した水田におけるδ15N値を用いた水稲の起源別窒素量の推定
担当機関 山口県農業試験場
研究期間 1996~1997
研究担当者 徳永哲夫
福永明憲
発行年度 1999
要約 土壌、堆肥、化学肥料のそれぞれのδ15N値に差がある場合、堆肥の種類や化学肥料の施用量を変えて栽培された水稲体内Nのδ 15N値に違いが生じる。その変動を調べ、アイソトープマスバランス法で計算することにより圃場レベルでの水稲体Nの起源別N量の推定が可能である。
背景・ねらい  作物体のN同位体(15N/14N)の自然存在比(δ15N値)は、土壌や肥料資材のδ15N値を反映し、また、玄米のδ15N値と土壌のδ15N値が相関していることが報告されている。そこで土壌や肥料資材のδ15N値と稲体の窒素吸収量およびδ15N値を測定し、アイソトープマスバランス法で計算すると、稲体Nの起源別N量が推定されるため、これによって家畜糞堆肥や化学肥料の窒素利用率を推定する。
成果の内容・特徴
  1. 堆肥の種類および化学肥料の量を異にして水稲栽培を行った結果、各堆肥Ⅰ区では、堆肥のδ15N値が作付け前土壌のδ15N値より高いために、稲体Nのδ15N値は、作付け前土壌のδ15N値より高くなる(表1、表2)。
  2. 各堆肥Ⅱ、Ⅲ区で、化学肥料の施用量が多くなるにつれて、δ15N値の低い化学肥料を多く吸収するために、稲体のδ15N値は各堆肥Ⅰ区より低下する(表2)。このように、稲体のδ15N値は、堆肥や化学肥料のδ15N値とN吸収量に相対的に影響を受ける。
  3. 堆肥を施用した場合の土壌由来N量は牛糞堆肥、鶏糞堆肥で同程度であり、豚糞堆肥では低くなる(表3)。
  4. 堆肥の窒素利用率は牛糞堆肥と豚糞堆肥で20~29%と同程度であり、鶏糞堆肥では10~12%と低くなる。鶏糞堆肥では、今まで行われた15N標識堆肥試験の結果とほぼ同じである(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 15N標識肥料試験を併用すると、施肥由来N量が求まり、各堆肥Ⅱ、Ⅲ区の土壌由来N量と堆肥由来N量も直接推定できる。

図表1 210886-1.jpg
図表2 210886-2.jpg
図表3 210886-3.jpg
カテゴリ 肥料 水田 水稲 施肥

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