ケイ酸カリウム試薬の育苗箱灌注によるイネ苗いもちの発病抑制

タイトル ケイ酸カリウム試薬の育苗箱灌注によるイネ苗いもちの発病抑制
担当機関 兵庫県立中央農業技術センター農業試験場
研究期間 2000~2001
研究担当者 岩本豊
前川和正
相野公孝
発行年度 2000
要約 水稲の播種直後~緑化期におけるケイ酸カリウム試薬10~20倍溶液の0.5L/育苗箱灌注処理は、苗いもちの発病抑制効果が高い。
背景・ねらい  近年、いもち病罹病性品種の作付け増加、育苗期の管理の不備などにより、イネ苗いもちが多発生している。しかし、登録のあるトリシクラゾール水和剤の発病後での散布では、十分な効果が得られにくい。また、環境にやさしい農業を推進するため農薬以外の防除対策が望まれている。そこで、苗いもちの発病抑制をケイ酸カリウム試薬を育苗箱に灌注処理することにより検討する。
成果の内容・特徴
  1. 保菌種子を使用した試験で、播種直後、ケイ酸カリウム試薬を10倍希釈して育苗箱当たり0.5L灌注すると、トリシクラゾール水和剤1000倍の播種7日後灌注処理と同程度に、いもち病菌による立枯苗の発生を抑制する。ケイ酸カリウム20倍液を播種時と播種4日後にそれぞれ0.5L/育苗箱灌注すると、立枯苗は育苗後期には増加するが、二次伝染による葉の病斑数を高率に抑制する(表1)。
  2. 胞子懸濁液の噴霧接種試験で、ケイ酸カリウム20倍液を播種4、7日後にそれぞれ0.5L/育苗箱灌注すると、苗における葉いもちを無処理区の12.7%に抑制し、トリシクラゾール水和剤1000倍液の感染後の灌注処理以上の高い防除効果が認められる(図1)。
  3. ケイ酸カリウム20倍液を播種4、7日後にそれぞれ0.5L/育苗箱灌注した場合、苗の草丈、培土のpHは無処理区と同等で、土壌ECは0.3mS/cmと無施用区の2.2倍に高くなるが、生育障害は認められない(表2)。

成果の活用面・留意点
  1. ごま葉枯病、ばか苗病の防除のため、種子消毒は必要である。
  2. ケイ酸カリウム試薬を育苗箱で灌注した苗のいもち病抑制効果は、苗の時期だけに限られ、本田での持続効果はない。

図表1 211019-1.jpg
図表2 211019-2.jpg
図表3 211019-3.jpg
カテゴリ 病害虫 育苗 いもち病 ごま 種子消毒 水稲 農薬 播種 品種 防除

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる