機能性成分を高濃度に含有するポンカン果汁の製造法

タイトル 機能性成分を高濃度に含有するポンカン果汁の製造法
担当機関 中国農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 中村善行
楠本憲一
野方洋一
発行年度 2000
要約 ポンカン果皮に局在するポリメトキシフラボン類は、インライン搾汁法及び圧搾法により果汁に移行する。同じく果皮抽出物での活性が高い12-リポキシゲナーゼ阻害成分の移行にはインライン搾汁法が、シクロオキシゲナーゼ阻害成分の移行には圧搾法が各々適する。
背景・ねらい  ポンカンは、発がん抑制効果の強いβ-クリプトキサンチン、マトリックスメタロプロテアーゼ-の産生抑制やキサンチンオキシダーゼ活性阻害作用等多様な生理活性が明らかになりつつあるポリメトキシフラボン類、さらには循環器系疾患やアレルギーに関与するリポキシゲナーゼ及びシクロオキシゲナーゼの阻害成分を含有していることから、カンキツ類の中でも生理機能性成分の供給素材として極めて優れた品種である。果汁製造は、カンキツ果実の最も主要かつ簡便な加工形態であるが、従来の搾汁法ではこれら機能性成分が豊富な果皮が除去されてしまうため、果汁における果皮成分の利用効率は低い。そこで、果皮中の機能性成分を効率よく果汁に移行させる搾汁法の開発をねらいとする。
成果の内容・特徴
  1. ポンカン果実の含有するポリメトキシフラボン類は、果皮表面のフラベド部位及びその内側のアルベド部位に局在する(表1)。
     果肉のみ利用するチョッパー搾汁法(図1)では当成分は果汁に移行しない。インライン搾汁法では5/64インチが8/64インチより当成分を多く抽出する。圧搾果汁の含量はインライン搾汁果汁の約6倍に達し、果皮の8~12%の成分が果汁に移行する(表1)。
  2. ラット白血球5-リポキシゲナーゼ(5-LO)阻害成分は、圧搾果汁の阻害活性が若干高いもののチョッパー搾汁と差が小さいことから果汁に由来すると推察される(図2)。
  3. ラット血小板12-リポキシゲナーゼ(12-LO)阻害成分の抽出は、インライン搾汁法(5/64、8/64)が適し、血小板シクロオキシゲナーゼ(CO)阻害成分については圧搾法が適すると判断される(図3)。

成果の活用面・留意点
  1. 業界における搾汁法の普及状況並びに生産コストを考慮すると、上記機能性成分を豊富に含有する果汁の製造法としては、インライン搾汁法(5/64)が適当と考えられる。
  2. 圧搾果汁の低極性成分は、遠心処理により沈殿する可能性がある。

図表1 211049-1.jpg
図表2 211049-2.jpg
図表3 211049-3.jpg
図表4 211049-4.jpg
カテゴリ 加工 機能性成分 コスト 品種 ぽんかん その他のかんきつ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる