タイトル | 生産・財務連動型経営計画のための農業技術体系データベース |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 | 1999~2001 |
研究担当者 |
松下秀介 相原貴之(九州沖縄農研) 南石晃明 澤田守 |
発行年度 | 2001 |
要約 | 作物、農作業、農業機械・施設、資材などの多様な情報を体系的に管理できる農業技術体系データベース(FSDB:Farming-systems Database)を開発した。本DBの利用により、各都道府県が作成する「標準技術体系」のデータベース(DB)化が可能になると共に、生産・財務連動型経営計画の実用化が支援できる。 |
キーワード | 経営計画、技術評価、データベース、標準技術体系、FSDB |
背景・ねらい | 農産物の価格形成に市場原理が一層導入される中で、意欲ある経営者が積極的な経営展開を図っていくためには、作物や作業など農業生産の技術的条件と共に価格変動などの市場条件を統合した経営計画の策定が重要になってきている。具体的には、作付計画(作物・品種・栽培様式、作期、栽培面積)の見直しに伴って、必要となる農業機械・施設や農業資材、さらに土地、労働力などがどのように変化するのかを簡易に推定できる手法が求められている。さらに、これらの物的情報と価格情報とを統合し、それぞれの作付計画を実施した場合に想定される経営財務内容を推計し、財務リスクも考慮した代替案の検討が求められている。農業技術体系データベースは、こうした生産・財務連動型経営計画を迅速かつ高精度に作成する上で必要となる中核技術の一つである。 |
成果の内容・特徴 | 1. 本DBは、相互に関連するシステムDBおよび標準技術体系DBから構成される(図1)。前者は、作物DB、作物・品種・栽培様式DB、費用項目DB、収益項目DB、作業項目DB、農業機械DB、農業施設等DB、資材DB、機械作業DBなどから構成されるが、地域コードを導入しており、各都道府県などが独自のデータを管理できる。後者は、各技術体系の人力作業・労働時間、機械作業・労働時間、機械・作業能率設定、圃場占有係数、施設利用係数、資材投入、収益(収量・単価)などのテーブルから構成される。 2. 本DBの利用者は、システムDBの管理を行うシステム管理者、標準技術体系データを入力する技術データ管理者、DB利用者に区分できる。作物・品種・栽培様式名、作業名・作業能率、機械・施設の能率・能力・価格・耐用年数、資材名・価格等についてはシステムDBに登録されており、標準技術データの入力時には対象の技術体系で必要となる土地(在圃期間)、農作業時間、機械作業時間、資材の投入量などを入力する。 3. 本DBと連動して作動する営農指標作成システムも開発されており、想定する経営が導入予定の技術体系および既存の技術体系を技術体系データベースから選択し、各技術体系の栽培面積、地代見積額、労賃見積額、旬別機械作業時間上限値を設定することにより、営農指標が作成される(図2)。具体的には、耕地面積、作業時間(人力・機械作業)、農業機械・施設、投入資材などの必要量および旬別経営収支、農業機械の必要台数、作業時間、減価償却費、資材の使用量、旬別費用などが算出される。本DBは生産・財務連動型経営計画のみならず技術評価にも有効である。DBMSにはMS-ACCESSを利用している。 |
成果の活用面・留意点 | 1. DBについてはhttp://misa.ac.affrc.go.jp/で情報提供を行い、利用実験を予定している。 2. 全国規模のデータ整備・充実およびインターネット対応がDBの実用化・普及のための課題である。 3. 本DBと連動した生産・財務連動型経営計画システムは今後開発予定。 |
図表1 | |
図表2 | |
カテゴリ | 経営管理 データ管理 データベース 品種 |