タイトル | 防災雨量データの蓄積・Web対応携帯電話への提供システム |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
木浦卓治 |
発行年度 | 2001 |
要約 | Webで公開されている防災雨量データを蓄積し、Web対応の携帯電話(iモード、J-Sky Web、EZweb)を用いて、農家が積算雨量等をほ場で簡単に表示できる。システムは和歌山県の防災雨量データに適用され、高品質なみかん栽培に利用されている。 |
キーワード | 雨量データ、iモード、J-Sky web、EZweb、みかん栽培 |
背景・ねらい | 多くの県が防災雨量データをWebで公開し始めており、その観測地点はアメダスよりも密度が高い。高品質な作物の栽培には雨量情報は欠くことができず、県の防災雨量データを有効利用できれば、農家にもたらす恩恵は大きい。しかしながら防災雨量データはその目的から過去のデータを提供していない。そこで、県の防災雨量データを蓄積し、Web対応の携帯電話を利用して農業現場で積算雨量等を簡単に表示できるようにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. システムは、県の防災雨量データのページを定期的に取得し、データを切り出しデータベースへ格納するためのPerlスクリプト、格納されたデータをWeb経由で携帯電話(iモード、J-Sky web、EZweb)に提供するためのPHPスクリプトからなる(図1)。 2. 雨量データのページは携帯電話でページにアクセスするたびに、携帯電話の種類を判断して表示モードを切り替えるとともに、データベースから情報を取り出して構成している。 3. ユーザが指定した地点の、過去24時間の時間雨量、過去1月の日雨量、特定の年月の日雨量、ユーザが指定した日付からの積算雨量などを取り出すことができる(図2)。 4. 多くの農業者が所有しているWeb対応携帯電話で利用できるため、いつでもどこからでも手軽に雨量データを確認できる。 5. 一度設定すれば、県防災雨量データのWebページの構造が変化しない限り、メンテナンスは不要である(フリーソフトのセキュリティ上の問題点は除く)。また、市販のソフトは利用していないため安価に導入できる。 6. 和歌山県土木部砂防課が、和歌山県内137地点で独自に観測し、Webで公開している雨量データ(http://www.wakayama.go.jp/sabo/URYO/)に対して適用した。和歌山県携帯電話版有田雨量DBとして導入され、高品質みかんの栽培に利用されている。 |
成果の活用面・留意点 | 1. Internetの不調等、防災雨量観測システムに起因しない理由で欠測値が生じることがあるため、防災雨量データWebサーバと同じLAN上で運用することを推奨する。 2. iモード、J-Sky web、EZweb以外の携帯電話には、現在対応していない。 3. 通信費は携帯電話利用者の負担である。 4. 防災雨量データの農業目的の利用には、県内での調整が必要な場合がある。 5. 防災雨量データをWebで提供すれば、他県でも導入可能である。すでに防災雨量データをWebで提供している例としては、山梨県や福島県がある。 6. 可能であれば、データベースを気象情報仲介ソフトMetBroker(http://www.agmodel.net/MetBroker/)のデータソースとして提供していただきたい。隣県がデータを供給すれば、県境で利用できるデータ量が増える。 |
図表1 | |
図表2 | |
カテゴリ | くり データベース |