北海道におけるキャベツの直播栽培及び機械収穫の経営評価

タイトル 北海道におけるキャベツの直播栽培及び機械収穫の経営評価
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2001~2003
研究担当者 坂本英美
山縣真人
若林勝史
小島誠
天野哲郎
八谷満(生研センター)
発行年度 2003
要約 北海道の20~30ha規模の畑作経営では、キャベツの移植栽培にトレーラ伴走方式の機械収穫を導入することによりキャベツ作の拡大をはかることができる。直播栽培と機械収穫を組み合わせた直播・機械収穫一貫体系は、その省力性から35ha以上の大規模層ではキャベツ作拡大に寄与すると推計される。
キーワード 畑作経営、キャベツ、トレーラ伴走方式、機械収穫、直播栽培
背景・ねらい
北海道の畑作経営では、1990年代に入り畑作物の価格低下による農業所得の低下に対応して野菜の導入が進展した。しかし、野菜類は面積当たりの投下労働時間が多いうえ作業員の労働負担が大きく、畑作経営に輪作作物として定着するためには、その省力化・軽労化が求められる。本研究ではキャベツの直播栽培やトレーラ伴走方式による機械収穫の現地実証試験結果に基づき、それらの新技術が畑作経営に及ぼす効果を線型計画法を用いて分析し、北海道におけるキャベツ機械化の方向を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
トレーラ伴走による機械収穫によれば、3人組作業の場合12cm/sの作業速度で長辺270mの畦の往復作業を製品の積み降ろしなしで連続的に行え、枕地の手取り収穫を含めても19.7人・時/10aで作業が可能である。
2.
この機械収穫方式を導入した場合の効果を線型計画法を用いて経営耕地面積規模別に試算すると、3.35~4.84haと手取りの場合より1.2~1.6ha程度キャベツ作が拡大できる。トレーラ伴走方式の機械収穫への投資限界を求めると20~30ha規模では330~380万円と、補助事業で導入する場合の機械投資額及び耐用期間内の修理費を上回り、作業姿勢の改善による軽労化効果も高いことから導入の合理性がある(図1、2)。
3.
直播栽培とトレーラ伴走方式の機械収穫を組み合わせた直播・機械収穫一貫体系では、体系全体での投下労働時間が24人・時/10aと慣行の50%まで低下することができる一方、気象条件や作型によっては移植に対して30%程度減収する可能性がある(表1、2)。
4.
作型や気象変動による減収を勘案して移植に対する直播単収を想定した試算では、直播・機械収穫一貫体系の農業所得は、35ha規模以上になってはじめて移植・機械収穫体系を上回ると試算され、大規模層での活用が示唆される。20~30ha層での一貫体系導入のための減収の許容限界は移植の10%以内と推定される(図3)。
成果の活用面・留意点 1.
現段階では、直播栽培の減収率が高いため、収穫を機械化せず直播栽培のみを導入した場合には農業所得は低下するため、直播栽培単独での収益面での有利性はない。
2.
トレーラ伴走式の収穫体系の導入に当たっては、トレーラ走行路を念頭に置いた圃場利用計画により土地利用率を低下させないように留意すること。
図表1 211229-1.gif
図表2 211229-2.gif
図表3 211229-3.gif
図表4 211229-4.gif
図表5 211229-5.gif
カテゴリ 機械化 キャベツ 経営管理 軽労化 直播栽培 省力化 輪作

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