アーバスキュラー菌根菌の機能を活用したトウモロコシの栽培管理法

タイトル アーバスキュラー菌根菌の機能を活用したトウモロコシの栽培管理法
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2002~2003
研究担当者 臼木一英
山本泰由
田澤純子
発行年度 2003
要約 不耕起栽培ではアーバスキュラー菌根菌の感染率が高まり、トウモロコシの窒素吸収、初期生育が促進する。トウモロコシの前々作や前作への牛糞堆肥の施用は、同菌の胞子密度や感染率には影響しないが、不耕起による生育促進の効果を助長する。
キーワード アーバスキュラー菌根菌、不耕起、牛糞堆肥、前作、トウモロコシ
背景・ねらい 作物の前後作の組み合わせ適性にアーバスキュラー菌根菌(以下AM菌と記述する)が深く関与することが明らかにされている。しかし、作物の栽培に伴う各種の管理法がAM菌に及ぼす影響については不明な点が多い。そこで、AM菌の特性、機能を活用し畑作物の生産性の向上をはかるため、耕起方法、有機物の施用および作付の前歴と作物の生育、養分吸収に果たすAM菌の役割との関連について明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 不耕起栽培では、ロータリ耕に比べてトウモロコシへのAM菌の感染率が高まる。特に、宿主作物(トウモロコシ-エンバク)跡では著しい(表1、2)。
  2. トウモロコシの前々作または前作への牛糞堆肥の施用は、AM菌胞子密度やトウモロコシへの感染率には影響しないが、トウモロコシの初期生育を促進させ、その効果はロータリ耕に比べて不耕起で大きく、AM菌宿主跡で顕著となる(表2)。
  3. 生育初期のトウモロコシの窒素吸収は、非宿主作物(ソバ-コマツナ)跡に比べ宿主作物跡で促進され、AM菌感染がトウモロコシの窒素吸収の向上に有効である(図1)。
  4. トウモロコシの乾物収量は、前々作または前作の牛糞堆肥施用とAM菌感染に有利である不耕起栽培を組み合わせた場合に向上し、特に、同菌の非宿主作物跡では増収効果が大きい(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 本試験は淡色黒ぼく土の畑圃場で実施し、トウモロコシはデントコーンを用いた。
  2. 不耕起・省耕起栽培の導入や堆肥施用のための基礎的知見として活用できる。
  3. 土壌の種類や気象条件が著しく異なる地域およびトウモロコシ以外の畑作物では検討を要する。
図表1 211260-1.gif
図表2 211260-2.gif
図表3 211260-3.gif
図表4 211260-4.gif
カテゴリ こまつな 栽培技術 そば とうもろこし 不耕起栽培

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