酸性デタージェント繊維（ＡＤＦ）の迅速推定法

• 担当機関: （独）農業・生物系特定産業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター
• 研究期間: 2003～2006
• 研究担当者: 西口靖彦; 安藤貞; 早坂貴代史
• 発行年度: 2003
• 要約: 迅速測定法は常法のＡＤ溶液煮沸に代えて圧力鍋による加熱を、乾燥機での乾燥に代え電子レンジを用いることにより処理時間が短縮できる。さらにアセトン洗浄と灰化を省略して全行程が1.5時間で完了する。
• キーワード: ウシ、家畜栄養、飼料、ＡＤＦ、測定法
• 背景・ねらい: ＡＤＦは飼料中の難分解性繊維分画であり、粗飼料評価の項目の一つであるとともに、その含量から可消化養分総量（ＴＤＮ）の推定が可能である。自給粗飼料はＴＤＮの変動が大きいため、迅速なＡＤＦ評価法が求められる。
• 成果の内容・特徴: 1.; ＡＤＦ迅速測定法は煮沸に代え圧力鍋での加熱を、乾燥に電子レンジを用いる。また残さ中の灰分は推定値（粗飼料で５％、濃厚飼料は０％）を用いる（図１）。; 2.; 常法はＡＤ溶液での１時間煮沸が規定されているが、注水した圧力鍋で加熱すると約120℃まで加温されるため５分で終了する（図２）。; 3.; アセトン洗浄を省略し、残さ中の灰分を推定値とすることで全行程が約1.5時間で完了する（図１）。; 4.; 迅速法による分析結果は、ビール粕でやや過大に評価したが、穀類から低質粗飼料までの広範囲で常法と一致する（r=0.973）（図３）。; 5.; 圧力鍋や電子レンジの使用により機材購入費が削減できる。
• 成果の活用面・留意点: 1.; 飼料のＴＤＮ評価が迅速に行える。; 2.; 灰分を推定値としているため、土砂等の混入した飼料はＡＤＦを過大評価する可能性がある。; 3.; 圧力鍋は高温高圧になるため取り扱いに注意する。電子レンジによる乾燥は「弱」（200W以下）で行う方が安全である。
• カテゴリ: 乾燥 評価法