タイトル | 水稲栽培における除草剤施用量を削減できるハイブリッド除草技術 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
西脇健太郎 大谷隆二 天羽弘一 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 水稲条間部の機械除草と株間および株元部への除草剤散布を組み合わせることにより、除草剤使用量を大幅に削減することができる。移植3週間後と6週間後の2回作業で十分な除草効果が得られる。 |
背景・ねらい | 水田作において環境負荷低減化を進めるために、除草剤の使用量を減らすことが主要課題の一つである。現時点では、機械除草による完全な株間除草が困難であることから、機械的手法による条間除草と株間・株元部への茎葉処理型除草剤の部分散布を組み合わせて、除草剤使用量を大幅に減少させるハイブリッド除草技術を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. ハイブリッド除草機は、液剤散布可能な市販のハイクリアランス乗用管理機を台車とし、機械除草爪、除草剤散布ノズル、高さセンサと昇降リンクより構成される(図1)。台車には前方に搭載する機械除草爪に動力を伝えるための前部PTOを付加する。 2. 図2)。条間部を幅20cm、株間・株元部分を幅10cmとすると、1作業当たりの除草剤散布量は全面施用の1/3となる。 3. 作業部分の左右方向の位置決めはオペレータが車両を操舵することにより行う。作業部分の垂直方向位置制御・水平姿勢制御は、組み込み型マイコンを使用し、垂直方向は高さセンサと昇降リンクの上下動により、水平姿勢に関しては傾斜センサと油圧シリンダによって行う。 4. シハロホップブチル乳剤を使用した事例では、移植3週間後と6週間後の2回作業で、タイヌビエ残草量を12kg/10a以下に抑えるため、タイヌビエ残草による減収は無い(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 慣行の除草剤使用と同等の除草効果を維持しながら、除草剤の使用量を大幅に削減することができる。 2. 事例を紹介したシハロホップブチル乳剤の使用基準では、使用時期は移植後20日以降、使用回数は2回以内となっている。 3. シハロホップブチル乳剤以外の剤については、別途検討を要する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 環境負荷低減 除草 除草機 除草剤 水田 水稲 |