浅耕栽培はダイズシストセンチュウの卵密度を抑える

タイトル 浅耕栽培はダイズシストセンチュウの卵密度を抑える
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2002~2005
研究担当者 田澤純子
山本泰由
臼木一英
三浦重典
発行年度 2005
要約  浅耕でダイズを連作した時のダイズシストセンチュウの卵密度は、ロータリ耕に比べ低く推移し、それは地表面下5∼15cmの卵密度が影響している。浅耕により、非宿主作物栽培時の卵密度低下はより早く現れる。対抗植物と組み合わせることで効果的な密度抑制が可能である。
キーワード ダイズ、ダイズシストセンチュウ、浅耕、密度抑制
背景・ねらい  ダイズを連作することによりダイズシストセンチュウの被害が顕在化するが、有効な対処法がなく、連作している水田転換畑では大きな問題となりつつある。ダイズシストセンチュウ密度の制御や被害の軽減のための土壌管理等による耕種的手法の確立が要請されている。そこで、表層5cm程度耕起する浅耕と慣行ロータリ耕(15cm程度耕起)のダイズ連作に伴うダイズシストセンチュウの卵密度の推移を調査し、浅耕の卵密度に対する効果を検証する。
成果の内容・特徴 1.
ダイズ(品種:エンレイ)を浅耕で連作した場合、ダイズシストセンチュウの卵密度はロータリ耕に比べて低く推移し、その効果は2年程度持続する(図1A)。その際、表層(0∼5cm)の卵密度は、両耕起法間で変わらないが、地表面下5∼15cmの密度が浅耕で低いことから、浅耕による卵密度抑制には耕起されていない土層の卵密度が影響している(図2)。
2.
天敵微生物のシストへの寄生率は、連作に伴い上昇するが、浅耕ではやや高い傾向にある(図1B)。
3.
非宿主作物(トウモロコシ)を浅耕で連作した場合、卵密度はロータリ耕よりも早く低下する(図3)。乾土1gあたり100卵程度(高密度)に増加した畑では、非宿主作物を浅耕で2作することで卵密度は被害が出る可能性のある密度(乾土1gあたり10卵)より低くなる。
4.
ダイズの浅耕栽培と対抗植物のクロタラリア(Crotalaria spectabilis )を組み合わせることにより、卵密度をより効果的に低下させることができる(図4)。乾土1gあたり200卵程度の非常に高い密度の畑でも浅耕によるダイズ2作およびクロタラリア1作で卵密度は極めて低密度になる。
成果の活用面・留意点 1.
ダイズシストセンチュウ汚染圃場での密度抑制に活用できる。
2.
本試験はダイズを4年連作しダイズシストセンチュウ卵密度が高密度に高まった畑圃場(淡色黒ぼく土)を用いて、ダイズーコムギ体系(浅耕区ではコムギも浅耕栽培)で行った試験である。
図表1 211526-1.gif
図表2 211526-2.gif
図表3 211526-3.gif
図表4 211526-4.gif
カテゴリ 水田 大豆 とうもろこし 品種

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