リモートセンシングデータを用いた重み付き回帰

タイトル リモートセンシングデータを用いた重み付き回帰
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2005~2007
研究担当者 竹澤邦夫
二宮正士 
発行年度 2006
要約 リモートセンシングデータを用いて水稲の収量を推定する際に、過去のデータと当該年のデータを有効利用するための回帰式を、それぞれのに対する重みと当該年のデータに対する重みを当該年の予測予測誤差が最小になるように最適化することによって最適な回帰式を作製する。この方法は回帰式として重回帰式を用いる場合にも加法モデルを用いる場合にも有効である。
キーワード 重み付き回帰、加法モデル、重回帰、リモートセンシング
背景・ねらい リモートセンシングデータの利用においては、過去のリモートセンシングデータと地上データに加えて、当該年においても一部分の地点においてはリモートセンシングデータと地上データの両方が得られていることがある。その場合、当該年の地上の様子を推定するための回帰式を推定するために過去のデータも有用であると考えられる。そこで、両者のデータを有効に利用して回帰式を作成する方法を開発した。
成果の内容・特徴
  1. 過去のデータと当該年のデータに対して重みを付けて回帰式を作製する。すなわち、を最小にすることによって回帰式()を求める。が過去の2001年と2002年のデータ、が当該年2004年のデータ、wが過去の2001年と2002年のデータに対する重みである。ここでは、いくらか性質の異なるデータを有効に利用するための手段として重み付き回帰を用いている。
  2. 重み(w)の最適化のために、10群クロスバリデーションによる予測誤差を用いる。
  3. 東北地方のある地点の2001年のデータ(25個)と2002年のデータ(31個)と、2004年のデータ(68個)からランダムに34個を選んだものを用いてデータに重みを付けて重回帰式を作製する。予測変数はリモートセンシングデータ(ASTERセンサによって得られた衛星データのうちの4バンド)で、目的変数は10aあたりの水稲の収量である。重み(w)と予測誤差の関係を、10群クロスバリデーションを用いて推定した結果の例が図1である。
  4. 3の作業を2004年のデータから34個をランダムに選ぶ際の乱数を代えて20回試行した結果が図2である。図2(上)はそれぞれの試行において選択された重みの値を示している。
  5. 図2(下)は、2004年のデータ(68個)のうちの残りの34個を使って、それぞれの試行における最適な重みの値を用いて作製された重回帰式の予測誤差を推定した結果である。2001年と2002年のデータだけを使った場合やよりも、2004年のデータだけを使った場合よりも、重み付き回帰を使った場合の方が、予測誤差が小さくなることが多い。図3と図4は、図1と図2と同じ作業を重回帰式に代えて加法モデルを用いて実行した結果を示している。
成果の活用面・留意点
  1. 本方法は、重回帰式あるいは加法モデルを用いた場合に限らず他の回帰手法を用いた場合にも利用できる。
  2. 本手法による回帰は、リモートセンシングデータを用いた場合に限定されない。
  3. ここで用いた計算と作図のためにはRを使用した。作製したRオブジェクトはいつでも配布できる。
図表1 211602-1.gif
図表2 211602-2.gif
図表3 211602-3.gif
図表4 211602-4.gif
図表5 211602-5.gif
図表6 211602-6.gif
図表7 211602-7.gif
図表8 211602-8.gif
図表9 211602-9.gif
カテゴリ 水稲 リモートセンシング

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