タイトル |
液果(木の実)の豊凶による中国四国・九州地方のヒヨドリ果樹被害の予察 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 |
2001~2006 |
研究担当者 |
山口恭弘
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発行年度 |
2006 |
要約 |
秋の早い時期に液果(木の実)の豊凶をモニタリングすることにより、中国四国および九州地方において、晩秋から冬季のヒヨドリによる果樹への被害を予察することが可能である。
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キーワード |
ヒヨドリ、液果(木の実)の豊凶、果樹被害、中国四国・九州地方、鳥害、被害予察
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背景・ねらい |
ヒヨドリは秋季に東日本から西南日本に渡りを行い、冬季に各地で果樹や葉菜類に多大な被害を及ぼす。ヒヨドリの渡来数とそれに伴う被害量には年ごとに大きな変動があり、渡来数に影響を与える要因として野生及び植栽木の液果(木の実)の量が考えられる。液果量と果樹被害の関係を明らかにすることにより、被害発生前にヒヨドリによる被害を予察する。
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成果の内容・特徴 |
- 当該地方において、9月後半から10月前半にかけて、液果の数を概算で数える、シードトラップに落ちた液果や種子の数を数える、などの方法により豊凶状況を4年程度以上調査し、最も液果が多い年を5(豊作)、最も少ない年を1(凶作)とし、中間の年を2-4に割り振ることにより豊凶指数を判定する。
- 平成14年から17年の4年間における、ヒヨドリによる果樹被害面積(ha)は、中国四国・九州地方では当該地方の液果の豊凶指数が概ね3以上、すなわち液果が豊作の年には被害面積は小さく、豊凶指数が1または2の凶作の年には被害面積は大きい(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 液果の豊凶状況は個体差、種類差などがあるため、1調査地においては、1種類につき5個体以上を調査木とし、調査地の状況に応じて複数の種類を調査するのが望ましい。
- 調査地は山間部が望ましいが公園緑地や街路樹などでも可能である。樹種は地方により異なるが、クスノキ、センダン、イイギリ、ユズリハ、ネズミモチなどが挙げられる。
- 本成果は中国四国、九州地方の果樹被害でのみ適用可能である。他の地方や他の作物については、当該地域で液果豊凶のデータを蓄積することにより、被害が予察できる可能性がある。
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図表1 |
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カテゴリ |
鳥害
モニタリング
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