タイトル |
小明渠浅耕播種機を利用したナタネの播種作業技術 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
冨樫辰志
松崎守夫
加藤 仁
岡田謙介
谷脇 憲
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発行年度 |
2007 |
要約 |
水田輪作におけるナタネの播種作業に小明渠浅耕播種機を利用することにより、湿害低減が期待でき、省力的で安定した播種作業ができる。種子繰出し装置は、麦・大豆作に広く利用されている横溝式ロールをナタネ用に一部改造する。
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キーワード |
水田輪作、ナタネ、小明渠浅耕播種機、横溝式ロール、播種技術
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背景・ねらい |
水田輪作や水田有効利用で油糧作物としてのナタネ栽培への関心が高まり、中規模クラス(40kW級トラクタ利用)の播種技術開発への要望が強くなってきた。そこで、市販播種機の種子繰出し装置である横溝式ロールをナタネ用に改造し、麦・大豆用に開発された省力的な小明渠浅耕播種機を利用して、安定した作業精度が得られ、かつ湿害低減が期待できるナタネの播種作業技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- ナタネ用播種ロールは、市販の横溝式ロール(8穴タイプ-白色)のセルを最小セル幅としてシーリング材等で埋め、ドリル加工で新たなセルを開ける。種子の詰まり対策として、セル口とセル底面を丸くなるように手動で一部切削する(図1)。
- セル寸法は、標準的な播種量(130粒/m2)を確保する場合、直径4.5mm~5.0mm(深さ2.9mm)とする(表1)。実際の播種作業時には接地駆動輪ギアの組合せ等で播種量を調整する。
- 条間33cm、条数5とし、明渠両側の播種条から溝壁までの距離を約25cmとすることにより、明渠側の条でも溝壁の崩れに影響されず安定した条播ができる(図2)。
- 出芽率は50~60%程度、出芽深さは15~35mm(SD:9~12mm)を確保できる(表2)。
- 本方式は、小明渠浅耕播種機と、麦・大豆作等で普及している横溝ロール式播種機の播種ロールを改造して利用できるため、機械装備費は安価で作業は省力的である。
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成果の活用面・留意点 |
- 播種ロールを大豆用10セルタイプ(黒色)に替えることにより、ヒマワリ品種:「春りん蔵」 (Pioneer社63M80)に適用できる。ヒマワリの場合は3条播種とする(図2)。
- 転換初年目の水田で砕土性が不十分の場合は、播種前の耕うん、或いは耕うんピッチを小さく(作業速度の減少等で)して対応する。
- ロールのシーリング材はピンセット等で簡易に取り除くことができ、横溝式ロールとして麦・大豆等に再利用できる。
- 小明渠浅耕播種機の関連文献:平16成果情報「ダイズの湿害軽減のための広畦成形・浅耕播種技術」(http://www.naro.affrc.go.jp/top/seika/2004/kanto/kan04005.html)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
加工
湿害
水田
大豆
なたね
播種
ひまわり
品種
輪作
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