タイトル |
モノリスライシメータにおける標識硫安と標識堆肥窒素の溶脱を含めた動態 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 |
2003~2007 |
研究担当者 |
井原啓貴
前田守弘
高橋茂
駒田充生
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発行年度 |
2007 |
要約 |
砂丘未熟土および黒ボク土に施用した硫安由来窒素の土壌残存率は施用2年半後10%程度であり堆肥の併用で高まる。堆肥由来窒素は65~82%が土壌に残存し、砂丘未熟土より黒ボク土で高い。標識窒素の溶脱は硫安由来、堆肥由来とも施用2年半後も継続する。
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キーワード |
溶脱、重窒素、堆肥、窒素収支、モノリスライシメータ
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背景・ねらい |
野菜畑において、環境保全に配慮した適正な肥培管理法を確立するためには、施肥窒素の中長期にわたる動態を明らかにする必要がある。しかし、溶脱を含めた標識窒素の動態を長期間調べた研究は少ない。そこで、不撹乱土壌モノリスを用いて、重窒素で標識した硫安と牛ふん堆肥窒素の溶脱率、作物利用率、土壌残存率を詳細に示し、2種類の土壌で比較する。
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成果の内容・特徴 |
- 1作目に15gN/m2の標識硫安(10.3atom%)および標識堆肥(3.8atom%)を施用した。深さ1mで標識窒素の溶脱が始まる積算浸透水量は、砂丘未熟土で200mm、黒ボク土で500mm程度であり、砂丘未熟土は窒素が溶脱しやすい(図1)。2年半合計した硫安由来窒素の溶脱率は砂丘未熟土で40~43%と高く、黒ボク土で10%と低い。堆肥由来窒素溶脱率は、砂丘未熟土で14~16%、黒ボク土で2~3%である。浸透水中の標識窒素は、硫安由来、堆肥由来とも2年半後でも十分追跡可能な濃度を維持し、溶脱は継続する。
- 硫安由来窒素は、黒ボク土では2作目のトウモロコシにも吸収され、2年半合計した作物利用率は64~73%と高く(図2)、このことが黒ボク土の溶脱率の低減に寄与した。砂丘未熟土では、硫安由来窒素が2作目の生育期までに溶脱したため、作物利用率は29~37%と低い。堆肥由来窒素の作物利用率は、砂丘未熟土では4~6%と溶脱率より低く、黒ボク土では9~11%と溶脱率より高い。
- 硫安由来窒素は、施用2年半後において、硫安単用では両土壌とも10%程度が土壌に残存し、硫安に堆肥を併用することにより0~10cm層の土壌残存率が高まる(図2)。堆肥由来窒素は、65~82%が土壌に残存し、砂丘未熟土より黒ボク土で高い。堆肥単用と堆肥に硫安を併用した区の土壌残存率には有意差がない。
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成果の活用面・留意点 |
- 砂丘未熟土は未耕地土壌を、黒ボク土は堆肥を年平均3t/10aを14年以上連用した土壌を用いた。
- 供試した牛ふん堆肥に副資材は添加されていない。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
施肥
とうもろこし
肥培管理
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