牛ふん尿スラリーの濃度と温度が管路での輸送特性に与える影響

タイトル 牛ふん尿スラリーの濃度と温度が管路での輸送特性に与える影響
担当機関 開発土木研究所
研究期間 1997~1997
研究担当者 中村和正
発行年度 1997
要約 牛ふん尿スラリーの管路輸送では、濃度Tsがおよそ4~5%をこえると、濃度上昇に伴う損失水頭の増大が顕著になる。また、Tsがおよそ5%をこえると、管路の水理設計でスラリーの温度の影響を考慮する必要がある。
背景・ねらい 牛ふん尿スラリーを管路輸送する場合の損失水頭は、濃度や温度の影響を受ける。輸送前の濃度調整に必要な用水量算定のためには、スラリー濃度と損失水頭の関係を把握する必要がある。また、スラリーの粘度が低下する冬期間にも安全に管路輸送を行うためには、温度と損失水頭の関係を明らかにする必要がある。これらの背景から、北海道天塩町のN牧場を事例として、スラリー濃度と温度が管路による輸送特性に与える影響を調査した。
成果の内容・特徴
  1. 擬塑性流体であるスラリーのズリ応力s(Pa)とズリ速度D(s-1)は、一般にs=η0Dnの関係にある(η0:流体粘稠度指数、n:構造粘度指数)。N牧場のスラリーを用いた粘度試験から、濃度や温度を用いた次のような実験式が得られる。
    η0=(0.00213-0.000034t)・Ts3.67,n=(2.76+0.184Ts)/(2.76+Ts)
    ここで、t:スラリー温度(℃)、Ts:スラリー濃度(%)である。
  2. 約600mの管路区間を用いたスラリー輸送試験での損失水頭hf(m)の測定値から求めた損失係数fpは、スラリーの粘度特性から求めた損失係数fLとよく一致する(図-1)。それゆえ、粘度特性から管路輸送時の損失水頭を推定できる。
  3. 温度や濃度、管径d(m)、流速V(m/s)を種々に与えて管路輸送時の損失水頭を推定した。実際の圃場配管でもよく用いられる内径0.125mの管においてV=1.0m/sで輸送した場合、Tsが4~5%を超えない範囲であれば損失水頭は比較的小さい。しかし、この濃度範囲を超えるとTsの増大に対する損失水頭の増大が顕著になる(図-2)。また、Tsが5%を超えるとスラリー温度のちがいによる損失水頭の差が大きくなる。
    (図-1で示した損失係数fpとfLの計算方法)
成果の活用面・留意点
  1. 調査対象のN牧場ではピストンプレス式の固液分離機を用いている。固液分離方法などが違うスラリーでは粘度特性も異なるので、輸送特性の詳細な検討を行うときには実験によりη0とnの式を求める必要がある。
図表1 211873-1.gif
図表2 211873-2.gif
図表3 211873-3.gif
カテゴリ 輸送

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