菜豆(金時類)の高品質収穫乾燥技術

タイトル 菜豆(金時類)の高品質収穫乾燥技術
担当機関 豆類第二科
研究期間 1999~1999
研究担当者 加藤 淳
江部茂彦
桃野 寛
鈴木 剛
発行年度 1999
要約 菜豆(金時類)のピックアップ収穫適条件は完熟期(熟莢率ほぼ100%)から6日以内、脱穀部周速度は子実水分19~23%の範囲で5.0~6.0m/s、19%以下、23%以上の範囲で5.0~5.4m/s以下である。収穫後は堆積貯留を避け、常温通風または自然乾燥で水分調製する。機械集積では改良ニオ台の使用で十分乾燥し、品質のばらつきも小さい。
背景・ねらい 金時類の収穫においては、収穫脱穀方法の多様化や適条件から逸脱した脱穀作業等により、被害粒の発生増加が問題となっている。そこで、菜豆(金時類)の収穫乾燥時に発生する被害粒の発生要因と加工適性を収穫法別に解明し、その軽減対策を示す。
成果の内容・特徴
  1. 収穫時期の茎葉水分は地干しにより立毛状態よりも速やかに低下する。子実水分は時期が遅くなるほどばらつきは小さくなり、乾燥速度は1日当り約1.6%である(図1)。
  2. ピックアップ収穫適期は子実水分が18~26%、すなわち完熟期(熟莢率ほぼ100%)から6日以内であり、脱穀部周速度は子実水分19~23%の範囲で5.0~6.0m/s、19%以下、23%以上の範囲では5.0~5.4m/s以下が適する(図2)。
  3. 被害粒の煮豆加工適性については、種皮や子葉に障害のあるものは煮熟時に整粒率が著しく低下する。収穫時期による煮熟特性の差異は、概して小さいが、脱穀時の子実水分が著しく低い場合には皮切れ率が上昇する傾向にある。
  4. 子実水分の平均乾燥速度は無加温通風乾燥では、0.15~0.17%/h(風量比2.4m3/t・s)であり、無通風で5cmに堆積し1日に1回攪拌した場合では0.17~0.19%/hである。加温通風乾燥では、低温であっても連続通風は品質に好ましくない。
  5. 堆積貯留の際、子実表面に発現するへこみ変形粒は、堆積高さが高いほど甚だしく、貯留中に水分が増減した子実に生じやすい。
  6. 機械集積の場合、ニオ自重による下部への圧密抑制と通気性が保たれる改良型のニオ台を使うことにより、積み替えすることなく十分乾燥させることが可能であり、品質のばらつきも小さくなる(図3)。
  7. 以上の成果から、菜豆(金時類)収穫乾燥の要点(表1)を作成した。
成果の活用面・留意点
  1. 子実水分の低下速度は気象等によって変動するので、子実水分を簡易水分計等で測定することが望ましい。
  2. 収穫適期間中の気象等を考慮し、色流れ粒の発生を回避するよう心掛ける。
  3. 追肥により収穫時期の葉落ちが悪くなる場合がある。

平成11年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名:菜豆(金時類)の高品質収穫乾燥技術(指導参考)
図表1 212083-1.gif
図表2 212083-2.gif
図表3 212083-3.gif
図表4 212083-4.gif
カテゴリ 加工適性 乾燥

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