DD、AFLP及び銀染色を組合わせたmRNAフィンガープリンティング(DD-AFLP)法

タイトル DD、AFLP及び銀染色を組合わせたmRNAフィンガープリンティング(DD-AFLP)法
担当機関 地域基盤研究部
研究期間 1999~1999
研究担当者 Sergey
IVASHUTA
磯部祥子
我有 満
今井亮三
内山和宏
発行年度 1999
要約 3'末端にpolyA配列をもつcDNA断片のみをPCRで選択的に、再現性よく増幅し、ラジオアイソトープや蛍光色素を使用せずに銀染色で検出できるDD-AFLP法は、経済的で効率の良いmRNAフィンガープリンティング法である。
背景・ねらい 遺伝子をクローニングする際のmRNAフィンガープリンティングの手法として、ディファレンシャルディスプレイ(DD)法とcDNA-AFLP法がある。DD法は、3'末端側のcDNA断片を選択的に増幅する手法として開発されたが、再現性が低いという短所がある。一方、cDNA-AFLP法は、再現性が高い長所があるが、目的以外のcDNA断片も増幅するので泳動ゲル中に多くの断片が含まれる。これらの手法においては、通常、ラジオアイソトープまたは蛍光色素による標識が必要となるため、実際の利用場面では、施設や機器による制限を受ける。再現性が高く、シンプルな泳動像に対し、銀染色の適用が可能になれば、遺伝子クローニング実験の実施可能範囲が拡大する。
成果の内容・特徴
  1. DD法とcDNA-AFLP法を組合せると、再現性が高く、かつシンプルな泳動像が得られ、バンドの検出に銀染色の適用が可能となる。DD-AFLP法は、マニュアル化された手法の組合せであり、既存のキットが利用できる簡便なmRNAフィンガープリンティング法である。
  2. 再現性が高い。AFLP法との組合せにより、DD法の再現性の低さが改善される(図1)。
  3. cDNA断片の重複がなく、カタログ化が容易である。3'末端にpolyA配列をもつcDNA断片のみを増幅するため、同一mRNAに由来するcDNA断片は、ゲル上に一度しか現れない。また、ゲノムDNAの混入の可能性が低く抑えられる。
  4. シンプルな泳動像が得られ、銀染色で検出可能である(図2)。増幅産物のサイズは50~700bp、レーンあたりの総バンド数は30~100本である。
  5. cDNA断片の再増幅が容易である。銀染色したゲルからのcDNA断片の切出しが容易であり、再増幅が効率的に行える。100バンド以上単離し再増幅を行った結果、約65%がシングルバンドである。Oligo-dTプライマーとMse-Iプライマーの配列を含む目的のcDNA断片が増幅されていることがシークエンスにより確認された。低温ストレス前後および品種間で発現量が変化するcDNA断片をゲルから単離した結果、発現量の変化をノーザン法で確認できるものが含まれている。
成果の活用面・留意点 ストレス等により特異的に発現する遺伝子を効率よく安価にクローニングする方法として活用できる
図表1 212094-1.gif
図表2 212094-2.gif
カテゴリ 品種

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