いちご新品種候補系統「道南26号」

タイトル いちご新品種候補系統「道南26号」
担当機関 北海道立道南農業試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者 阿部珠代
稲川裕
加藤俊介
生方雅男
川岸康司
福川英司
立川さやか
発行年度 1999
要約 いちご「道南26号」は、収穫始が「宝交早生」とほぼ同等の早生で、平均1果重が重く、上物率が高い。先白果の発生は認められず、中心空洞は「きたえくぼ」より小さい。食味は良好で、日持ち性に優れる。
背景・ねらい 現在、無加温半促成用の品種としては「宝交早生」と「きたえくぼ」があるが、「宝交早生」は果実が軟らかく日持ち性、輸送性に劣り、果形が悪いなどの欠点がある。「きたえくぼ」はこれらの欠点が改良された品種で市場評価も高まっているが、収穫始が「宝交早生」より遅いことや先白果が発生し易いことなどから作付面積は25ha弱にとどまっている。「道南26号」は、熟期が「宝交早生」並の早生で、果実品質(食味、硬度、日持ち性)が「きたえくぼ」並で障害果の発生が少ないことを目標として育成された。
成果の内容・特徴
  1. 収穫始は「宝交早生」と同等から2日程度遅い。(表1)
  2. 「きたえくぼ」に比べ、果数が少ないため収量性はやや劣るが、上物収量は「宝交早生」並である。上物率は「宝交早生」、「きたえくぼ」より高く、平均1果重も重い。(表1)
  3. 果実硬度は「きたえくぼ」より硬く、光沢に優れ色むらが少なく、先白果の発生は認められない。中心空洞は「きたえくぼ」より明らかに小さい。(表2)そう果の着色は少ないが本道の市場では問題はない。
  4. 糖度はほぼ「きたえくぼ」並で酸度は「きたえくぼ」よりやや低く、糖酸比は「きたえくぼ」より高い。食味は「宝交早生」より良好である。(図1)
  5. 日持ち性は「宝交早生」より明らかに優り、「きたえくぼ」とほぼ同等である。(表2)
  6. 灰色かび病は「宝交早生」と同等、うどんこ病は「きたえくぼ」並の強さである。萎ちょう病は「宝交早生」よりやや強く、萎黄病は「宝交早生」より明らかに強い。
成果の活用面・留意点
  1. 適応作型は無加温半促成作型である。
  2. 果数が少ないため、果房数が確保できない場合は減収となることがあるので、適期定植を行い秋の生育量の確保に努める。

平成11年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名:いちご新品種候補「道南26号」(普及奨励)
図表1 212119-1.gif
図表2 212119-2.gif
図表3 212119-3.gif
カテゴリ 萎黄病 いちご うどんこ病 栽培技術 障害果 新品種 品種 輸送 良食味

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