ダイコンバーティシリウム黒点病の緊急防除対策

タイトル ダイコンバーティシリウム黒点病の緊急防除対策
担当機関 北海道立中央農業試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者 角野晶大
小松 勉
発行年度 1999
要約 ダイコンバーティシリウム黒点病に対し、ダゾメット粉粒剤の20および30kg/10a処理による土壌消毒が有効である。深耕(35~40cm耕起深)混和処理の効果が高い。また、大規模畑作地域における処理方法としてマルチ畦内処理、根雪前処理の実用性が高い。
背景・ねらい 近年北海道で作付けが増大しているだいこんにとって重要かつ難防除病害であるバーティシリウム黒点病に対し、抵抗性品種を探索するとともに大規模畑作地域において実用的な土壌消毒剤とその処理方法を検討し防除に活用する。
成果の内容・特徴
  1. 春まき作型だいこん品種では、供試69品種のうち、本病に対する抵抗性「強」判定は「YR夏信」「KR4118」「夏得」「重信」の4品種である(表1)。夏まき作型だいこん品種では、供試65品種のうち、本病に対し抵抗性「強」判定は「夏つかさ」「健勇総太り」の2品種である(表1)。
  2. ダゾメット粉粒剤の本病に対する防除効果は、全面被覆と耕起によるガス抜きを伴う処理で、20・30kg/10a通常耕(20~25cm耕起深)混和処理はそれぞれ防除価が60・70以上で薬害もなく実用性がある(表2)。深耕(35~40cm耕起深)混和処理では20・30kg/10a処理ともに通常耕処理と比較して同等から高い防除効果を示し、特に30kg/10a深耕混和処理は防除価が80以上と高く、薬害もなく実用性が高い(表2)。
  3. ダゾメット粉粒剤の20・30kg/10a深耕混和マルチ畦内処理は、それぞれ防除価が70以上で、薬害もなく実用性がある(表2)。耕起を伴わない穴開けのみによるガス抜きについては、6月以降の作型であればガス抜き期間10日でも薬害が発生せず十分である。また、被覆資材として三重ポリエチレンフィルムを利用することにより穴開けの労力等を大幅に軽減できる。
  4. ダゾメット粉粒剤の30kg/10a根雪前処理は80以上の高い防除価を示し、薬害もなく実用性が高い(表2)。しかし、降雪が見込まれる時期に混和処理可能な地域に限定されることおよび処理後の鎮圧とできる限り速やかな降雪が必要であることに注意する。
  5. 処理法ごとの防除効果と経済性・環境負荷・労力などを考慮すると、20~30kg/10a深耕混和マルチ畦内処理および30kg/10a深耕根雪前処理が実用性の高い処理である(表2)。
  6. マルチ畦内処理において抵抗性品種を組み合わせることにより防除効果は増大する(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. ほ場における過去のジャガイモ半身萎凋病およびダイコンバーティシリウム黒点病の発生状況を見定めて対策を講じることが必要である。
  2. 抵抗性品種は地域の特性に合った品種を選定する。
  3. ダゾメット粉粒剤の30kg/10aは未登録である。

平成11年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名:ダイコンバーティシリウム黒点病の緊急防除対策(指導参考)
図表1 212161-1.gif
図表2 212161-2.gif
図表3 212161-3.gif
カテゴリ 病害虫 だいこん 抵抗性 抵抗性品種 土壌消毒 ばれいしょ 品種 防除

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