コムギ縞萎縮ウイルスの検出技術

タイトル コムギ縞萎縮ウイルスの検出技術
担当機関 北海道大学大学院
研究期間 1997~2000
研究担当者 磯貝雅道
高橋葉子
山名利一
上田一郎
竹内 徹
畑谷達児
堀崎敦史
発行年度 2000
要約 コムギ縞萎縮ウイルスの外被タンパク質遺伝子を単離し、遺伝子組換え技術によって、大腸菌でウイルス抗原を大量に発現させ、抗体を作成した。作成した抗体によるエライザ法で、コムギからウイルスを検出できる。
背景・ねらい コムギ縞萎縮ウイルス(WYMV)は,コムギの根に寄生する土壌菌Polymyxa graminisによって媒介される土壌伝染性のウイルスである。現在の主要品種「ホクシン」は,コムギ縞萎縮病に弱く,「ホクシン」の作付増加に伴い,本ウイルスの分布が拡大している。そこで,道内における発生実態調査および抵抗性系統の早期選抜のために,遺伝子工学的手法を利用して,コムギ縞萎縮ウイルスの実用的な検出技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 伊達市「ホクシン」の病葉から,コムギ縞萎縮ウイルスのRNAを抽出し,RT-PCR法によって外被タンパク質(CP)遺伝子を単離した。
  2. 単離したCP遺伝子を大腸菌に組み込んだところ,コムギ縞萎縮ウイルスの外被タンパク質(CP)を大量に発現させることができた(図2)。大量発現したCPをカラムで精製して,抗血清作成のための抗原を得た。
  3. 得られた抗原をウサギに免疫し,抗血清(抗体)を作成した。作成した抗体を用いたエライザ法によって,病葉の10,000倍希釈液からもウイルスを検出できる(図3)。
  4. エライザによるコムギからのウイルス検出部位を検討した結果,最上位展開葉では吸光値が低下し(図4),葉身部位では先端で吸光値が高まった。したがって,エライザ検定は,最上位展開葉の1枚下の葉の先端部を検定用サンプルとする。
成果の活用面・留意点
  1. エライザ法は,発生実態調査,品種系統の抵抗性検定など,コムギ縞萎縮ウイルスの検出に幅広く活用できる。

平成12年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名:コムギ縞萎縮ウイルスの検出技術の確立(指導参考)
図表1 212231-1.jpg
図表2 212231-2.jpg
図表3 212231-3.jpg
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カテゴリ 萎縮病 抵抗性 抵抗性検定 品種

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