タイトル |
べにばないんげん未熟子葉からの植物体再分化系と体細胞育種への応用 |
担当機関 |
作物開発部 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
玉掛秀人
佐藤 仁
中川善一
南 忠
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発行年度 |
2000 |
要約 |
べにばないんげんの未熟子葉を適当な不定芽形成培地に置床することで不定芽が形成され、さらに再分化植物体が得られる。再分化植物体を圃場へ移植することで、後代種子を得ることができる。再分化当代の百粒重は広い分布幅を示し、体細胞変異体出現の可能性が示され、体細胞育種への応用が期待できる。
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背景・ねらい |
べにばないんげんの体細胞変異体の作出が期待できる未熟子葉からの効率的な植物体再分化系を確立する。さらに、未熟子葉培養により得られる再分化個体の変異を調査し、大粒系統を選抜する。
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成果の内容・特徴 |
- べにばないんげんの植物体より採取の未熟子葉を外植片として、MSを基本とし、0.05mg/l NOA、5mg/l BAP、1~2mg/l ABA、45~60g/l ショ糖、2g/l ゲルライトを含む培地へ置床することで不定芽が形成される。さらに不定芽を植物ホルモン無添加のMS寒天培地に移植することで、再分化植物体が得られる。この培地条件で、品種「大白花」の長径7~11mmの未熟子葉を用いたとき、置床外植片当たりの植物体形成率は15%程度となる。
- 未熟子葉培養により再分化した植物体あるいはその後代より未熟子葉を採取した培養では、不定芽形成率、植物体形成率ともに高まる場合が多い(表1)。置床外植片当たりの植物体形成率が30%を越える再分化系統もみられる。
- 再分化個体を節培養により数個体に増殖し、温室へ鉢上げ後、圃場へ移植すると、湿害の影響がないときには順調に生育し、移植系統の70~85%から後代種子を得ることができる(表2)。
- 再分化当代の百粒重は、体細胞変異体出現の可能性を期待できる広い分布幅を示す(図1)。また、再分化当代と次世代の百粒重に正の相関関係が認められ(図2)、再分化当代での大まかな粒大選抜が可能と思われる。
- 再分化個体からの大粒選抜によって、原品種より明らかに百粒重の重い系統が選抜育成されている(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- べにばないんげんの未熟子葉からの植物体再分化系は、体細胞変異体の出現が期待でき、体細胞育種法として利用できる。
平成12年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分 課題名:花豆の体細胞育種のための培養系の確立(研究参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
育種
湿害
品種
べにばないんげん
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