四季成り性いちご「エッチエス-138」

タイトル 四季成り性いちご「エッチエス-138」
担当機関 北海道立道南農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 福川英司
中住晴彦
川岸康司
発行年度 2000
要約 いちご「エッチエス-138」は多収で果実の外観、硬度、日持ち性が優れ、業務用に適する四季成り性品種である。
背景・ねらい 「エッチエス-138」は北海三共株式会社において、夏秋どり作型において多収性であり、日持ちが良く高輸送性であることを目標に育成された四季成り性いちご品種である。同品種は「Tribute×エバーベリー」の後代の「HSー42号」を種子親とし、「盛岡16号」を花粉親とした交雑後代から育成された。
成果の内容・特徴
  1. 生産現場で主に栽培されている品種「ペチカ」は契約栽培であり自由に栽培できないため、農林水産省育成の「エバーベリー」を標準品種とし、奈良県育成の「サマーベリー」を参考品種として試験を行った。
  2. 草勢は「エバーベリー」よりやや強いが、「サマーベリー」より弱い。草姿は開張性である。果房に着生する花数が多く、また果房数も多い。分けつ性が高く、芽数が多い。
  3. 「エバーベリー」と比べて上物果数は多いが屑果も多い。収穫果数が多いため、収量性は高い。
  4. 成熟日数は開花期によって異なる。すなわち、7月中旬から8月中旬に開花した花は、20日程度で収穫に至る。一方、9月上旬に開花した花は、収穫までに30日程度の日数を要する。
  5. 果実は円錐形で、果実は「エバーベリー」および「サマーベリー」よりも硬い。果皮色は鮮赤色で「サマーベリー」並で、光沢は優れる。そう果色は「エバーベリー」と比べてアントシアニンの着色が少なく、うす茶色である。果肉色は淡橙色であり、中心空洞はほとんどない。
  6. 外観に優れ、果実が硬くかつ日持ちが良いため「エバーベリー」及び「サマーベリー」と比べて業務用に適する。
  7. 糖度は「エバーベリー」並であるが、酸度は「エバーベリー」より高く、「サマーベリー」並である。食味評価は「エバーベリー」よりやや劣り、「サマーベリー」より劣る。
  8. 日持ち性は20℃では暗黒下で5日程度、10℃11日程度で、「エバーベリー」および「サマーベリー」よりも明らかに優る。
  9. ランナー発生数および子苗の生産性は「エバーベリー」並である。
  10. 灰色かび病の発生は「エバーベリー」並で、「サマーベリー」よりやや多い。うどんこ病の発生は「エバーベリー」および「サマーベリー」並である。萎ちょう病抵抗性は「エバーベリー」よりやや強く、「宝交早生」より強い。萎黄病抵抗性は「エバーベリー」より弱く、「宝交早生」と同等である。
成果の活用面・留意点
  1. 上物率を高めるため、弱い芽・弱い花房・果房を摘除する。
  2. 夏期の着果過多による株疲れの場合には花房・果房を摘み取り、草勢を回復させる。
  3. 本品種は四季成り性で多収性であることから、着果後は液肥等による追肥を行い草勢を維持する。

平成12年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
課題名:いちご「エッチエス-138」(普及奨励)
図表1 212254-1.jpg
図表2 212254-2.jpg
図表3 212254-3.jpg
カテゴリ 萎黄病 いちご うどんこ病 多収性 抵抗性 品種 輸送 良食味

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