タイトル |
テンサイ褐斑病抵抗性“強”系統を利用した減農薬防除法 |
担当機関 |
北海道立十勝農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
梶山 努
清水基滋
田中文夫
有田敬俊
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発行年度 |
2000 |
要約 |
品種候補として期待されるテンサイ褐斑病抵抗性“強”系統を用いて,薬剤散布法を検討したところ,抵抗性“弱”品種に比べ,薬剤散布開始時期の遅延および薬剤散布間隔の延長ができるので,散布回数は,1~2回程度減らすことが可能である。
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背景・ねらい |
品種候補の褐斑病抵抗性“強”系統「H126」,「北海82号」を用いて,モニタリング手法の適用,散布間隔について検討し,減農薬化に着目した薬剤散布法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 褐斑病抵抗性“強”系統は,薬剤散布開始の目安となる発病株率50%に到達する日数が,抵抗性“弱”品種より7日以上遅い(表1)。
- さらに少発生(平成11年,12年,女満別町)の場合,9月まで発病株率が50%に達しないことがあり,このような場合には薬剤散布の必要はない(表1)。
- 病気の進展は抵抗性“弱”品種に比べ,緩やかで急激に蔓延しないため,10月上旬の発病度は低く,糖量に与える影響は小さい(表1)。
- 従来の指導参考事項(平成8年,テンサイの主要病害虫に対するモニタリング手法の開発-テンサイ褐斑病,ヨトウガ)に示された本病に対する主要殺菌剤の残効期間の目安は,抵抗性“弱”品種の場合,甚発生条件下(平成12年,清水町)では適合せず,発病を完全に抑えきれないが,抵抗性“強”系統の場合は,このような条件でも従来の残効期間を目安とした散布間隔で十分な効果が得られる(図1,2)。また,通常の発生条件下では,抵抗性“強”系統では抵抗性“弱”品種より散布間隔の延長が可能である。
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成果の活用面・留意点 |
- テンサイ褐斑病抵抗性“強”品種の薬剤散布法に適用する。
- 薬剤散布の開始はモニタリングにより,発病株率50%の到達を目安として行う。
- 激発年でも各種薬剤の散布間隔は防除基準に示された残効期間を目安として行う。
- 9月上旬まで発病株率が50%を越えない場合は,薬剤散布を必要としない。
- 薬剤散布回数は,抵抗性“弱”品種のモニタリング手法による散布体系より1~2回,慣行の散布体系より1~3回程度減らすことが可能である。
平成12年度北海道農業試験場会議における課題名及び区分 課題名:てんさい褐斑病抵抗性“強”品種を利用した減農薬防除法(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
抵抗性
てんさい
農薬
品種
防除
モニタリング
薬剤
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