| タイトル | カンバ,ヤナギ類を中心にした広葉樹の地域利用システム化技術 |
|---|---|
| 担当機関 | 森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
天野智将 八巻一成 北海道支所経営研究室土屋俊幸 |
| 発行年度 | 1993 |
| 背景・ねらい | 北海道では広葉樹木材工業は基幹的な産業の一つであるが,優良広葉樹資源は減少しており,新品種や新施業法を導入した資源の造成,従来あまり利用されていなかった資源の利用法の開発が求められている。本研究では,広葉樹に関する新技術が実用化されるために必要な経済的・経営的諸条件を明らかにすることを目的としている。具体的には,「バイオルネッサンス計画」において北海道支所が担当しているウダイカンバとヤナギ類を対象にして,造林投資者が望む一定の内部収益率を得るために必要な育種あるいは造林技術の進歩の程度を,既存の様々なデータを加工することにより推定した。 |
| 成果の内容・特徴 | ウダイカンバ林造成の経営経済的条件 まず,ウダイカンバ林のha当り立木価格を林齢別に推計し,これと道内の事例から推定した造成費用額をもとに,地掻・天然更新と苗木人工造林(ha当り3,000本植)の造成方法によって,(イ)全部自力で造成した場合,(ロ)50%の補助,(ハ)70%の補助がある場合について,それぞれの内部収益率を推計した(図1)。次に,現行の技術より育種,造林技術が改良された場合のウダイカンバ林造成の内部収益率を同様の方法で推計した。収穫量は変わらないものの素材平均販売単価が現在よりも10%,20%,50%,100%上昇する苗木を人工造林した場合の,内部収益率の推移が図2である。その結果,ウダイカンバ林造成に対して大きな助成があるか,または材質改良技術が開発された場合に,人工林造成が実際に行われる可能性があると推定できる。 ヤナギ林造成の経営経済的条件 ヤナギ類の価格は他のチップ用広葉樹材価格に規定され,林齢・材質による単価の上昇はない。従って,これから新技術の目標は高成長品種の獲得による収量増大に限られる。そこで,投資家を満足させる内部収益率を得るため必要な技術革新の程度を次のような仮定によって推定した。(イ)投資は初期投資のみとし,その額を5種類(10万円/ha,20万円/ha,30万円/ha,40万円/ha,50万円/ha,100万円/ha)に分け,(ロ)素材価格を7,000円/m3,8,000円/m3の2通り,そして(ハ)伐出費は規模や林齢に関係なく一律5,000円/m3とする。 地位級1等地の林地に関して,(イ)素材価格が8,000円/m3,期待内部収益率が3%,(ロ)素材価格が88,000円/m3,期待内部収益率4%の場合について,必要な技術進歩を推定したのが図3と図4である。例えば,素材価格8,000円/m3で必要初期投資額30万円/ha,期待内部収益率3%の場合,25年(一番倍率の低くなる林齢)で伐れば現在の生産量の1.23倍(209m3/ha)でよい。しかし,素材価格8,000円/m3,期待内部収益率3%でも新技術が初期投資額50万円/haを必要とすれば,2.05倍(301m3)が必要になる(伐期20年)などが推定できた。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| カテゴリ | 育種 加工 経営管理 新品種 品種 |
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