| タイトル | 針広混交林における広葉樹稚樹の定着と成長 |
|---|---|
| 担当機関 | 森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
小南 陽亮 新山 馨 佐藤 保 齊藤 哲 西山 嘉彦 |
| 発行年度 | 1996 |
| 背景・ねらい | 針葉樹人工林下に広葉樹稚樹を植栽・育成する針広混交複層林施業は、環境保全と経済性の両面に配慮した施業法となりうる。また、その施業技術は、単層の広葉樹林や針広混交林を育成する技術にも応用できると考えられる。そこで、針広混交複層林施業における樹種選択と林内環境の調節に必要な基礎情報を得る目的で、スギ人工林下に植栽した有用広葉樹稚樹の定着と成長を観測した。 |
| 成果の内容・特徴 | 宮崎県小林市にある73年生スギ人工林(小林試験地)と熊本県不知火町にある35年生スギ人工林(不知火試験地)を50%~60%間伐し、小林試験地には1988年に10種の稚樹(各120本)、不知火試験地には1991年に13種の稚樹(各120本)を植栽した。さらに、不知火試験地には皆伐した区域(林外区)にも同じ樹種を各45本植栽した。 小林試験地における植栽7年後の稚樹樹高と生存率は、樹種によって様々であった(図1)。シラカシとオガタマノキの生存率は著しい獣害のために低く、生き残った稚樹の樹高も頂部被食のために低かった。また、ケヤキとイロハモミジの成長も、虫害や枝折れのため不良であった。一方、サザンカ、ヤブツバキ、イヌマキ、ナギ、コブシの生存率は高く、成長も良好で、病虫獣害も少なかった。イチイガシの成長は最も良好であり、生存率も高かったが、植栽後4年目から虫害による枯死がみられはじめた。 不知火試験地における植栽5年後の稚樹樹高と生存率にも、樹種間の違いがみられた(図2)。獣害がほとんど発生しなかった林内区の生存率はどの樹種でも70%以上であったが、林外区ではイヌマキ、ナギ、ヤマザクラ以外の10種で獣害による生存率の低下がみられた。小林試験地と同様にシラカシとオガタマノキが著しい獣害を受け、また、クスノキやヤマグワへの獣害も著しかった。林内外の樹高成長を比較すると、ヤマグワとヤマザクラでは林外の成長が林内より明らかに良好であり、イチイガシ、ケヤキ、シラカシ、イスノキでも林外の成長の方が若干良好であった。 両試験地の結果から、著しい病虫獣害が発生しなければスギ人工林下における各樹種の定着が可能なこと、獣害発生が予想される林分にシラカシやオガタマノキなどを植栽するためには獣害防除が不可欠なこと、林内環境が多様であったり病虫獣害の発生状況が不明な場合には成長や病虫獣害に関する性格が異なる樹種を組み合わせることによるリスク軽減が望ましいことが示唆された。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| カテゴリ | 病害虫 防除 |
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