酵素分解反応に対するセルロース誘導体に導入された置換基の影響

タイトル 酵素分解反応に対するセルロース誘導体に導入された置換基の影響
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 野尻 昌信
林 徳子
石原 光朗
近藤 哲男
発行年度 1997
背景・ねらい セルロースへ置換基を導入したセルロース誘導体は、セルロースに比べ可塑性や溶解性が改善され、膜、ゲル、食品添加剤等、さまざまな用途に利用されている。このセルロース誘導体は、置換基の導入に伴い、セルラーゼの分解作用に対する抵抗性が増大する。これは、基質構造の変化により、基質と酵素との分子間相互作用が変化し、酵素の基質への反応性が低下したためと考えられる。そこで、セルラーゼの反応機構を解明することを目的として、置換基の種類や置換位置による分解抵抗性の変化、及び酵素―基質相互作用のどの段階を置換基が阻害しているかという点について検討した。
成果の内容・特徴 セルロースの構成単位であるGlc(グルコースユニット)には、三つの置換可能な水酸基(-OH)がある(図1)。そこでまず、メチル基の置換位置による影響について調べた。2、3位をともに置換した2、3-メチルセルロース(23MC)、6位のみを置換した6MC、及び、23MC分子鎖中に約5%の未置換のユニット(U)を含む23MCUの酵素分解性を比較した(図2)。23MCは全くセルラーゼにより分解されなかったのに対して6MC、23MCUは分解可能であった。このことから同じ置換基であっても、その置換した位置によって異なる抵抗性を示すこと、また23Mユニットに囲まれたUでも分解されることが明らかとなった。次に、23MCの酵素との結合性を調べる目的で、23MCU溶液に23MCを添加し、その添加量と分解性との相関について検討した(図3)。その結果、23MCは拮抗阻害剤として作用し、酵素と結合することが明らかとなり、23MCの置換基は酵素との結合を阻害するのではなく、グリコシド結合を切断する過程を阻害すると考えられた。さらに、23MCU中の23Mユニットが、同一分子鎖上のUの分解においても同様な拮抗阻害を示すのか、23Mユニット含有量の異なる数種の23MCUを使って調べた。その結果、23MCU中の23Mユニットも拮抗阻害剤として作用したが、先の場合と比較し、阻害剤効果は小さかった。これは、23MCU中の23Mユニット部分に結合した酵素が、その分子鎖と完全に解離することなく、同一分子鎖上のUを分解できるためであると考え、酵素がセルロース分子鎖上をスライディングするモデルを提案した(図4)。また、置換基の種類(エチル基、カルボキシメチル基、ヒドロキシエチル基)による分解抵抗性の違いについて調べたところ、メチル基以外の置換基で置換されたユニットは、酵素と結合できないことが示され、置換基のサイズであると考えられた
図表1 212449-1.gif
図表2 212449-2.gif
図表3 212449-3.gif
図表4 212449-4.gif
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カテゴリ 抵抗性

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