| タイトル |
スギ林における花粉生産量の推定法 |
| 担当機関 |
森林総合研究所 |
| 研究期間 |
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| 研究担当者 |
横山 敏孝
金指 達郎
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| 発行年度 |
1997 |
| 背景・ねらい |
スギ花粉症の患者が増加している。東京都の平成8年度の推定有病率は19.44%に達し、10年前の約2倍になった。その対策として、森林・林業分野に対しては、花粉抑制と花粉生産の予測情報の提供が求められている。
この研究では、スギ林における花粉生産と林齢、花粉生産の周期性、着花位置、気象条件との関係などを明らかにし、花粉生産量の推定方法の開発を目指した。
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| 成果の内容・特徴 |
- スギ林の花粉生産量は年によって大きく変動する。
茨城県筑波山麓のスギ7林分の雄花生産量をトラップ法で測定し、花粉生産量を推定値した。年変動には隔年などの固定的な周期性は見られず、また、花粉生産量の変動幅は非常に大きいことを確かめた(図1)。他の調査と比較すると、花粉生産量そのものはスギ林毎に異なるが、変動のパターンは広い地域で、基本的には、同調する。 - 花粉生産量は夏の気象条件の影響を受ける。
スギ林の雄花生産は、雄花形成開始期の気象条件と密接な関係があった。すなわち、雄花数は7月の全天日射量が多いと増え、降水量が多いと花粉量は滅少した(図2、図3)。気象条件から花粉生産量を推定でき、さらには翌春の花粉飛散の傾向を予測できる。 - Ⅴ齢級以上のスギ林が花粉発生源となる。
関東地方では、Ⅴ齢級(林齢20~25年)以上のスギ林は花粉生産が可能である。Ⅴ齢級を越えたスギ林では、林齢と花粉生産量との間には特定の関係は見られなかった。林齢以外の要因が生産量に大きく関与していると思われる。 - スギ林の観察によって花粉生産量を推定できる。
スギ林の雄花の着生状況の観察に基づいて、雄花生産量を推定する手法を開発した。まず、1本の木の雄花着生状況を4段階に類型化した。次に、晩秋にスギ林内の40本を観察して、各類型の本数を求め、この本数に類型毎の計数を掛けたものを合計して、「林分の着花指数」として表現した。この指数とトラップ法で測定した雄花量との間には直線関係(r2=0.89)があり、雄花量(花粉量)の推定に使えると判断した。現在、東京都等で実験的に導入されている。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| 図表5 |
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| 図表6 |
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| カテゴリ |
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