| タイトル |
ワカメ食の脂質代謝改善作用 |
| 担当機関 |
中央水産研究所 |
| 研究期間 |
1998~2000 |
| 研究担当者 |
村田昌一
内田基晴
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| 発行年度 |
1998 |
| 要約 |
乾燥ワカメ粉末を含む飼料で飼育したラットの血清,肝臓脂質濃度及ぴ肝臓脂肪酸β-酸化系酵素活性を測定した結果,ワカメは肝臓での脂肪酸β-酸化の亢進を導き,血清及ぴ肝臓トリアシルグリセロール濃度を低下させることが明らかとなった。
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| 背景・ねらい |
近年,日本人の食生活の欧米化に伴う成人病の罹患率の増加は,日本型食生活を構成する魚介藻類や野菜等の食品素材の摂敢不足に基づくと指摘されている。魚介藻類,特に藻類には特殊な構造を有する高度不飽和脂肪酸や食物繊維等が含まれ,それらの成分は機能性を育する可能性が期待されているにもかかわらず,研究は十分ではない。本研究はワカメの栄養生理的役割を明らかにすることを目的として,ラットの脂質代謝に与える影響を検討した。
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| 成果の内容・特徴 |
SD系雄性ラットを,ワカメ粉末を0(コントロール),0.5,1.0,2.0,5.0及ぴ10%含む食餌で3週間飼育後,血清と肝臓の脂質濃度,及ぴ肝臓の脂肪酸β-酸化系酵素活性を測定した。その結果,食餌へのワカメの添加は,コントロール食ラットに比較して,
- 2%の添加で血清,1%の添加で肝臓のトリアシルグリセロール濃度を有意に低下させた(図1)。
- 肝臓脂肪酸β-酸化系酵素,カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ,アシルCoAデヒドロゲナーゼ,アシルCoAオキシダーゼ,エノイル-CoAハイドラターゼ及び2,4-ジェノイノレCoAレダクターゼ活性を増加させた(表1)。
- さらに、ミトコンドリア画分脂肪酸β-酸化系酵素に対する飽和脂肪酸-CoAの基質特異性を増加させた(表1)。
以上の緒果から、ワカメの摂敢は血清及び肝臓トリアシルグリセロール濃度を低下させることが,また,この低下は肝臓ミトコンドリアでの脂肪酸β-酸化の冗進,特に飽和脂肪酸β-酸化冗進が一因となっていることが示された。
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| 成果の活用面・留意点 |
- 本研究にて明らかになったワカメの脂質代謝改善作用は脂質代謝異常が原因となる動脈硬化症や冠動脈心臓疾患等の致死的疾患の予防に有効であることが明らかとなった。本情報はワカメの摂取量の増加を導き,水産業の発展に結びつくと考えられる。
- 現在,ワカメの脂質代謝改善作用成分は明らかではなく,今後明らかにする必要がある。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| カテゴリ |
乾燥
機能性
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