| タイトル | スギ雄花の開花時期を予測する |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
金指 達郎 横山 敏孝 |
| 発行年度 | 2001 |
| 要約 | 「スギ花粉飛散予報」には雄花開花時期の予測が不可欠である。そこで、雄花の発育過程に基づいた「開花時期予測モデル」を開発した。過去の開花データを用いて検証した結果、このモデルはスギ雄花の開花時期を概ね良い精度で予測できることが確認された。 |
| 背景・ねらい | スギ花粉症は今や「国民病」と呼ぶのがふさわしくなってしまった。その苦痛を和らげるための一助とするべく、全国各地で「花粉飛散予報」がマスコミで報じられるようになった。しかし、その多くは経験則によっていて、科学的根拠がハッキリしない場合が多い。科学技術庁(現文部科学省)は1997年に「スギ花粉症克服に向けた総合研究」を開始した。その中で花粉予報に関する研究グループは、関東地方をモデル地域として、科学的根拠に基づいた「花粉飛散量数値予報モデル」の開発に取り組んできた。ここでは、このモデルの運用に不可欠な「スギ雄花の開花時期予測」の研究を紹介したい。 |
| 成果の内容・特徴 | スギ雄花は前年11月初旬までには発育を停止し休眠する。休眠とは、成長するのにふさわしい条件におかれても成長できない状態のことをいう。スギ雄花の休眠は低温刺激を受けることによって、眠りからさめるように徐々に浅くなっていく。低温刺激を受けた雄花は、暖かくなるとその状況に応じて少しずつ成長を再開し、ある時点で開花して花粉を放出する。このように、休眠以降のスギ雄花の発育過程には温度条件が大きく関与する。そこで、雄花の開花時期を予測するために、この一連の過程を以下のようにモデル化した。
このモデルの予測精度を確認するために、開花調査を行った試験地における実際の開花データと、現地での温度データを用いてモデルで予測した結果とを比較した。図1に示した年は、平年より寒い冬だったが3月中旬に急に暖かくなり、多くの木が短いタイムラグ(7日程度)で一斉に開花した。モデルによる予測結果はこの状況をよく表現しており、ほぼ正確に開花日を予測できたとみなせる。この例を含めた7件の事例についても、おおむね良い精度で開花日を予測できた(表1)。この結果から、現地の気温の推移を正確に予測できれば、このモデルでスギ雄花の開花を予測することが可能であると考えられる。 この開花時期の予測手法は、すでに首都圏における「花粉飛散予報」に利用されている。ただし、他の地域における開花を予測することは今のままのモデルでは難しいと思われる。それぞれの地域のスギは地域の環境に適応しているはずであり、モデルに必要なパラメータが関東地方とは異なる可能性が高いからである。他の地域での開花時期を予測するためには、この点を解決することが必要である。 なお、本研究は文部科学省の科学技術振興調整費生活者ニーズ対応研究「スギ花粉症克服に向けた総合研究」による。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| カテゴリ |
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