積雪地域の森林における降雪遮断蒸発

タイトル 積雪地域の森林における降雪遮断蒸発
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 小南 裕志
遠藤 八十一
坂本 知己
中井 裕一郎
寺嶋 智巳
大丸 裕武
細田 育広
森澤 猛
仙石 鐡也
発行年度 1995
背景・ねらい 積雪地域において森林は冬期間、降雪によって樹冠層が多くの期間雪に覆われ、その樹冠上の積雪は蒸発によってかなりの部分が大気中に失われる。そのため冬季の樹冠上の積雪の動態は積雪地域の気候形成や流域への水流出に大きな影響を与えると考えられる。そこで、この研究では森林樹冠層による降雪遮断に焦点を当て、気象条件・積雪条件の異なる森林において降雪遮断蒸発量を定量的に評価し、森林が積雪・消雪に及ぼす影響を解明することを目的とした。
成果の内容・特徴 日本の積雪地域の中で、寒冷な地域(寒冷積雪地域)の代表として北海道札幌市の21年生のトドマツ林と、温暖な地域(温暖積雪地域)の代表として新潟県十日町市の35年生と80年生のスギ林において冠雪量の収支による降雪遮断蒸発量、樹冠上の微気象の観測を行った。林内と林外の降水量の積算値の差から水収支的に積算遮断蒸発量を求めた結果、北海道においては1月から2月の4個の期間で求めた降雪遮断蒸発量の各期間の平均値は約0.7~2.3mm/dayの範囲であった(表1)。これらの遮断蒸発量は樹冠上の放射収支量の1.3~4.0倍の大きさとなった。また冠雪量の時間変化測定の結果、冠雪としての保水量の最大は20mm以上になった。
同様な手法で求められた遮断蒸発量は、十日町においては12月~3月までの平均値で約2.7~4.2mm/dayの範囲で森林の樹高との間に関係が見られた(表2)。ここで見られる蒸発量の変動は森林の葉面積指数(LAI)の相違によるものであると考えられる。 また林内林外の積雪水量の違い(図1)は観測された遮断蒸発量の差との関係が強く、積雪過程における林内外の積雪の差の多くは樹冠からの遮断蒸発によって起こると考えられた。測定された遮断蒸発量は樹冠上の放射収支量の2.0~3.5倍程度となり、北海道と同様に冬季の常緑針葉樹林の樹冠層は大気の冷却効果を持つという観測結果が得られた。また冠雪量の時間変化測定の結果、降雪期においてはほとんどの期間冠雪が存在し、保水量の最大値はLAIが1.2程度の試験木でも50mm以上になることが得られた(図2)。
図表1 212396-1.gif
図表2 212396-2.gif
図表3 212396-3.gif
図表4 212396-4.gif
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