| タイトル | サルを山に帰して被害を防止、「追い上げ」マニュアルを作成 |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
大井 徹 高橋 裕史 岡田 充弘 小金澤 正昭 安富 舞 羽山 伸一 川路 則友 |
| 発行年度 | 2008 |
| 要約 | 里山に居着いたサルの被害を軽減するため、サルを人間の生活域から遠ざける「追い上げ」技術指針を作成し、マニュアルにまとめました。 |
| 背景・ねらい | 野生獣類による農業被害が全国的に深刻です。中でもサルは様々な環境への適応能力が高いため、農地ばかりでなく住宅地へ出没して家財や人間に対しても加害することがあります。そのため、柵などで農地を守るだけでは不十分であり、サルと人間の生活域を分けるための積極的な対策が求められています。 その方法の一つとして「追い上げ」という方法が考えられます。「追い上げ」とは、群れの定着が好ましくない農地や住宅地などから、群れを威嚇して人間の生活域から隔たった目標の地域へ積極的に追い立てることです。この方法の基盤となる考え方を明らかにして、技術指針を作成しました。 |
| 成果の内容・特徴 | サルの野生群の行動観察や山への追い上げ実験をもとに、追い上げが可能な群れの条件、追い上げを効果的に行うための技術や配慮事項を整理した「ニホンザルの追い上げマニュアル」を作成しました(http://www.fsm.affrc.go.jp/Nenpou/other/saru-manual_200803.pdf)(図1)。野外調査は、全国7箇所(京都府・滋賀県比叡山、長野県安曇野市、飯田市、栃木県日光市、群馬県富岡市、神奈川県西湘地域、岩手県釜石市)で行い、その結果は、マニュアルの別冊「ニホンザルの追い上げ事例集」としてまとめました(http://www.fsm.affrc.go.jp/Nenpou/other/saru-jireishu_200803.pdf)。追い上げが可能な条件人間の生活域に侵入してきたサルの群れに対し、長期間、かつ頻繁にロケット花火やパチンコなどの飛び道具で威嚇することにより、群れの行動域を変え、排除できることが明らかになりました(図2)。しかし、追い上げは、どのような群れに対しても、どのような場所であっても効果があるわけではありません。例えば、(1)人やイヌによる群れの追跡が困難な急傾斜地、植生の密生した地域の場合、(2)群れの追い上げ進路をコントロールしにくい個体数の多い群れの場合(図3)、(3)サルの生息にとって好適な追い上げ先がない場合などは追い上げは困難であり、工夫や別の方法の採用が必要です。また、追い上げは効果があがるまでに時間がかかるので、人身被害があるかないかなどの被害対策の緊急度に応じて適用するかどうかを判断する必要があります。マニュアルではこれらの適用条件をチェックシートで示しました。追い上げの際の配慮事項効果的な追い上げを行うためには、(1)行動域の季節変化、移動ルート、農地・集落への侵入頻度の季節変化、群れの大きさ、隣接して他の群がいるかどうかなどを事前に把握すること、(2)追い上げ要員を複数の班に編成して役割分担すること(図4)、(3)追い上げの際の威嚇にはロケット花火、パチンコなど飛び道具を用いること、(4)サルが出没する里地の林縁の低木や下草を刈り払って見通しをよくし、サルの侵入を発見しやすく、かつ追い上げ要員が歩きやすくすること、(5)訓練したイヌを積極的に活用することなどが挙げられます(図5)。また、実際に追い上げを行う場合には、このマニュアルを参照しつつも、対象地域の地形、気象、サルの生息実態などに応じた独自の工夫や試行錯誤が必要です。さらに、効果の持続性を確かめるためにモニタリングも必要です。本成果は、農林水産省・先端技術を活用した農林水産研究高度化事業「獣害回避のための難馴化忌避技術と生息適地への誘導手法の開発」(平成17~19年度)によるものです。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 図表5 | ![]() |
| カテゴリ | 傾斜地 モニタリング |
| 大豆や水稲の植被率をデジタルカメラで簡便に測定するシステム |
| 我が国の草地飼料畑では堆肥による微量重金属の投入量が作物収奪量よりも多い |
| 大豆や水稲の植被率をデジタルカメラで簡便に測定するシステム |