| タイトル | 木質系廃棄物を利用した軽量な屋上緑化法の開発 |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
高麗 秀昭 小林 正彦 凌 楠 秦野 恭典 柴田 忠裕 鳥羽 享二 中谷 盛仁 澤田 幸伸 |
| 発行年度 | 2009 |
| 要約 | 木質系廃棄物を原料として吸水力を大きく向上させた保水資材を製造し、マット植物と組み合わせた軽量な緑化法を開発しました。この軽量緑化法の開発により既存建築物の緑化が簡単にできるようになりました。 |
| 背景・ねらい | ヒートアイランド現象の緩和等のために屋上緑化が進められていますが、既存建築物では屋根の荷重制限があり、軽量化が必要です。そこで木質系廃棄物から製造した保水資材とマット植物を組み合わせた軽量な緑化法を開発しました。マット植物とは土壌をあまり使用せず、根をマット状に栽培した植物の総称です。マット植物は土壌が少ないため軽量化できますが、水分を供給する保水資材が必要です。木質系廃棄物を原料としてインシュレーションボードを製造し、これの吸水力を大きく向上させ、軽量な保水資材としました。マット植物の下に保水資材を敷き詰め、雨水などを貯水し、そこから水を供給するようにした軽量な屋上緑化法を実現しました。 |
| 成果の内容・特徴 | 保水資材の開発屋上緑化の鍵となる保水資材はインシュレーションボードをもとに開発しましたが、保水力はインシュレーションボードの製造時に界面活性剤を添加することにより大きく向上させることができました。図1の吸水時間と吸水量の関係から明らかなように、界面活性剤の添加により吸水量を大きく向上させました。また界面活性剤の添加量は微量であり、添加方法も簡単なので、価格が大きく上昇しませんでした。さらに界面活性剤が植物の生長を阻害することもありませんでした。インシュレーションボードそのものの価格は安いため、開発した保水資材は他の緑化用の保水資材と比べて大幅に安くできました。インシュレーションボードは木質系廃棄物を原料に製造できるため木材のリサイクルにおいて重要です。一般的には建築材料などに用いられてきましたが、保水資材として利用することにより新たな需要が期待できます。軽量な屋上緑化法の開発写真1に開発した保水資材、写真2にツルマサキをマット植物として栽培したもの、写真3にマット植物として栽培したツルマサキのマット状の根を示します。これらを組み合わせて緑化システムを作り、軽量な屋上緑化法を開発しました(図2)。水が上方からマット植物に給水されるとマット植物が吸水します。マット植物が吸水しきれない水を保水資材が吸水し、その後、保水資材からマット植物に水が供給されます。この緑化システムにより大幅に軽量化がなされました。緑化に芝生を使用した場合、一般的に約140~180kg/m2の荷重が屋根にかかりますが、本緑化法では約50kg/m2以下になります。写真4にタイムをマット植物として栽培した時に灌水間隔がマット植物の生長へあたえる影響を示します。保水資材がないと3日に1回の灌水ではマット植物は枯れましたが、保水資材を利用することによりマット植物の生長も良好でした。図3に夏季の1日の屋根温度の変化を示します。軽量な緑化法であるにも拘わらず屋根温度が低いことも確認できました。 本研究で開発した軽量な屋上緑化方法は千葉県農林総合研究センター、大建工業株式会社と共同で特許出願中です。本研究は農林水産省の「先端技術を活用した農林水産研究高度化事業」による成果です。詳しくは「高麗秀昭、小林正彦、凌楠、秦野恭典、柴田忠裕、鳥羽享二、中谷盛仁、澤田幸伸(2009)木材工業 64(4):166-171」をご覧ください。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 図表5 | ![]() |
| 図表6 | ![]() |
| 図表7 | ![]() |
| カテゴリ | タイム |
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