| タイトル | 2050年までの木材利用によるCO2削減効果シミュレーション |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
恒次 祐子 外崎 真理雄 |
| 発行年度 | 2009 |
| 要約 | 木材は「炭素貯蔵効果」、「省エネ効果」、「化石燃料代替効果」という3つの働きで二酸化炭素削減に貢献します。本研究では木材の積極的な活用により 2050年までにどのぐらいの削減効果が得られるかをシミュレーションしました。 |
| 背景・ねらい | 地球温暖化防止のためには、大気中から二酸化炭素(CO2)を取り除くこと、化石エネルギー由来のCO2を排出しないことが必要です。木材には樹木が生長時に吸収した二酸化炭素を蓄えて大気中に戻さない「炭素貯蔵効果」、他の材料に比較して製造・加工にかかるエネルギーが少ない「省エネ効果」、燃料として利用することにより化石エネルギーの使用を減らすことができる「化石燃料代替効果」という3つのCO2削減効果があります。 日本は2050年までにCO2排出量を現状の60~80%削減し、「低炭素社会」に移行しようとしています。本研究では2050年までに木材利用によってどのぐらいのCO2削減効果が得られるかをシミュレーションしました。 |
| 成果の内容・特徴 | 木材による炭素貯蔵効果木造住宅の柱や梁などに使われている木材は、樹木として吸収したCO2をしっかりと蓄えています。もし木造住宅が増えると、その分だけCO2貯蔵量が増加するので大気中からCO2を取り除いたことになります。木造住宅以外の建築物や家具に使用されている木材、紙についても同じです。では日本全体でどのぐらいの炭素が蓄えられているのでしょうか?例えばある町に家が10軒あったとして、来年は2軒建てて1軒壊すとしたら、来年末には11軒の住宅が存在することになります。このような方法で建築物、家具、紙の存在量を毎年の生産量と廃棄量から計算するモデルを組みました。今後の建築物、家具、紙の生産量は2050年までの人口や経済の予測に基づき推測しました。 木造建築物が増えると・・?同じ大きさの建築物でも木造では非木造の約10倍の木材が使われています。家具でも木製の場合にはより多くの木材が使われています。つまり建築物や家具を木材で作ることによりCO2をたくさん貯蔵することができるわけです。また同じ柱でも木材で作れば鉄やコンクリートよりもずっとエネルギーが少なくてすむので、木造建築物を建てる方がエネルギーが少なくてすみます(省エネ効果、表1)。現在は毎年作られる建築物や家具のうち木造・木製は35%ですが、この傾向が続く現状シナリオと、2050年までに木造・木製率が70%になる振興シナリオを比較しました(図1)。残材の利用による化石燃料代替効果木材を大事に使った後バイオマス燃料として利用すれば、その分化石エネルギー由来の炭素排出を減らすことができます。ここでは毎年解体される建築物や家具から得られた木材を全て燃料利用した場合の効果を計算しました。建築物や家具を作るときに発生する残材も使うこととしています。もっと木材を!2050年に向けて建築物、家具、紙が全体的に減っていくことから、現状シナリオの場合は炭素貯蔵量が徐々に減少し、2016年以降はマイナス、つまり排出になるという結果となりました(図2左)。化石燃料代替効果によりトータルとしては吸収になっていますが、それも徐々に排出側に向かって減っていきます。一方振興シナリオでは、炭素貯蔵効果によって約100万トン(炭素換算、以下同様)、非木造建築物の代わりに木造建築物を建てた省エネ効果で約200万トン、そして廃棄する木材のエネルギー利用による化石燃料代替効果で約250万トン、合計約550万トン~600万トンの削減が得られることが分かりました。これは2007年度の日本の総排出量の1.5%程度にあたります。低炭素社会の実現のために、循環型資源である木材を積極的に活用していくことが重要です。 本研究は環境省地球環境研究総合推進費「S-3 脱温暖化社会に向けた中長期的政策オプションの多面的かつ総合的な評価・予測・立案手法の確立に関する総合研究プロジェクト」による成果です。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| カテゴリ | 加工 省エネ・低コスト化 |
| 施設の蒸し込みによるミカンキイロアザミウマの省力的防除技術 |
| 一斉収穫機を用いたキャベツの収穫調製・箱詰め・運搬の同時作業体系 |
| 生活排水の省エネルギー・資源循環型水質浄化システムの開発 |