‘セイマリン’を用いたキク形質転換のモデル系の開発

タイトル ‘セイマリン’を用いたキク形質転換のモデル系の開発
担当機関 (独)農業技術研究機構 花き研究所
研究期間 2000~2001
研究担当者 間竜太郎
岸本早苗
柴田道夫
大宮あけみ
発行年度 2001
要約 キク品種‘セイマリン’の無菌植物の葉を材料に用いて、アグロバクテリウム法により外植片数の数%程度の形質転換体が安定して得られる系を開発した。
キーワード キク、形質転換系、アグロバクテリウム
背景・ねらい 形質転換技術は花きの育種において、新花色の作出や病害抵抗性の付与などに利用できるものと考えられる。キクは我が国の花き産業にとり最も重要な花きであるが、形質転換効率が低く、外来遺伝子発現のためのプロモーターの評価等の基礎的知見を得ることが困難な状況にある。そこで、安定した外来遺伝子の導入が可能なキク形質転換のモデル実験系を開発する。
成果の内容・特徴 1.
本形質転換系の手順は図1の通りである。高い再分化能力を有する‘セイマリン’の無菌植物の葉片を外植片として用いる。また、形質転換体の選抜には、NPTⅡ遺伝子と抗生物質パロモマイシンの組み合わせを用いる。アグロバクテリウム懸濁液を接種し、2日間共存培養する。その後、選抜培地Aに移し、2週間毎に培地を更新しながら培養する。シュート原基が形成されたら選抜培地Bに移し、2週間毎に培地を更新しながら培養する。シュートが2-3mm長になった時点で、外植片からシュートをかきとり伸長培地に移す(感染から概ね3か月後)。
2.
再分化植物の中には非形質転換体が含まれていることがあるので、抗生物質抵抗性の有無を確認する。すなわち、伸長した再分化シュートの葉を5mm角に切り選抜培地Aで培養する。形質転換体由来の葉片は緑色を保ちカルスを形成するのに対し、非形質転換体由来のものは1週間程度で枯死する。
3.
本実験系を用いて形質転換実験を反復して行ったところ、外植片数に対して1.6%から6.6%の抗生物質抵抗性を有する形質転換体が得られた(表1)。
成果の活用面・留意点 1.
本形質転換系は、キク・cabに外来遺伝子を導入する場合のモデル系として利用できる。
2.
アグロバクテリウムについてはEHA105系統とAGL0系統のどちらでも形質転換体が得られる。
3.
本成果は品種‘セイマリン’を用いて得た結果である。形質転換効率の品種間差については未確認である。
図表1 212765-1.gif
図表2 212765-2.gif
カテゴリ 育種 きく 抵抗性 病害抵抗性 品種

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