タイトル | インスレーター活性を有するタバコ由来DNA断片の利用による |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 花き研究所 |
研究期間 | 1999~2001 |
研究担当者 |
間竜太郎 岸本早苗 吉田和哉(奈良先端大) 柴田道夫 大宮あけみ 長屋進吾(奈良先端大) |
発行年度 | 2001 |
要約 | タバコ・アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子のプロモーター領域214bpのDNA断片(ADH200)を35Sプロモーターに連結すると、キク形質転換体における導入遺伝子の発現が安定化すると同時に根において高い発現を示す。 |
キーワード | インスレーター、キク、形質転換、プロモーター、外来遺伝子発現 |
背景・ねらい | キクでは、植物の外来遺伝子発現に最もよく用いられているCaMV35Sプロモーターが働きにくいことが知られている。そこでCaMV35Sプロモーターを改変し、キク形質転換体において導入遺伝子が安定的に発現する系を開発する。 本研究では、インスレーター活性*を有するタバコ・アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子のプロモーター領域のDNA断片をCaMV35Sプロモーターに連結した改変プロモーターのキク形質転換体における発現レベルを調べる。 *インスレーター活性:染色体上において遺伝子発現の増強や抑制作用を遮断する働き |
成果の内容・特徴 | 1. タバコ・アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモーター領域のTATA配列より上流部分214bpのDNA断片(ADH200)をCaMV35Sプロモーターの 5' 上流に連結した (ADH200/35S)。ADH200/35SとGUS遺伝子を連結したキメラ遺伝子をキク‘セイマリン’に導入した。得られた形質転換体(NPTⅡポジティブ)の内41%の個体が100 pmoles 4MU/mg protein/min 以上のGUS活性を示し、35Sプロモーター(12%)を用いた場合よりも高かった(図1)。 2. 開花時点での根、下位葉、中位葉、上位葉及び花弁のGUS活性を表1に示す。ADH200/35SはCaMV35Sプロモーターに比べて、根において葉よりも高い活性を示す傾向が認められた。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ADH200/35Sは、キクにおける外来遺伝子発現用プロモーターとして利用できる。 2. 根において強い発現を示す傾向にある。 3. 本成果は品種‘セイマリン’を用いて得た結果である。他の品種における効果については未確認である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | きく たばこ 品種 |